実は意外に多い!? 五輪・パラリンピックに出場した「元F1ドライバー」たち
女性ドライバーで1970年代にF1に計3戦にエントリーし、いずれも予選落ちだったディビナ・ガリカ(英国)はアルペンスキー競技で五輪4大会に出場。札幌五輪では女子大回転で7位に輝いた。F1公式戦では結果を残せなかったものの、ノンタイトル戦だった1977年の英ブランズハッチ大会では12位完走を果たしている。
最近ではパラリンピックで金4個、銀2個を獲得したアレックス・ザナルディ(イタリア)が勇名をはせた。F1ではウィリアムズなど5チームを渡り歩き、米CART(現インディカー)では1997、98年にシリーズ連覇を成し遂げた。
2001年のCARTで両脚を断裂する大事故に巻き込まれたものの、不屈の闘志で復活を果たし、手元で操作できる特別車両で世界ツーリングカー選手権などに参戦。リハビリを兼ねてトレーニングを積んだハンドサイクルで力をつけ、2012年のロンドンパラリンピックに初出場。個人タイムトライアル、個人ロードレースで2冠に輝き、続くリオデジャネイロ大会でも個人タイムトライアル、チームリレーで金メダルに輝いた。
今回の東京パラリンピックでも金メダルが期待されていたが、2020年6月19日、イタリア国内のハンドサイクルレースでトラックと衝突。頭部に重傷を負った。何とか一命を取り留め、現在もリハビリを続けているものの、東京大会には出場できなかった。
2019年にはパラ大会競技会場予定地の富士スピードウェイ(静岡)で行われたスーパーGTと独ツーリングカー選手権(DTM)の交流戦に出場。モータースポーツについては既に第一線から退いていただけに「自分がレースができることは贈り物のようなものだ」とも語っていた。
ちなみに五輪金メダリストがモータースポーツに転向した例もある。自転車のトラック競技で6冠を持つクリス・ホイ(英国)は2014年に英国GT選手権にフル参戦。15年に欧州ルマンシリーズで王者となり、16年に初出場した仏ルマン24時間では17位で完走した。
2006年のダカールラリーを制したリュック・アルファン(フランス)も元スキー選手で、1997年のアルペン競技のW杯で年間総合王者を獲得。五輪での最高位は1988年のカルガリー大会(カナダ)のアルペン複合で記録した4位だった。
[文/中日スポーツ・鶴田真也]
トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)
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