優勝争いのロッテが集団感染…「謝る必要はない。1日も早く回復して現場に戻ってきてほしい」
阪神、ロッテとプロ野球の集団感染が相次いだ。今季は感染拡大の影響を受け、3カ月遅れの6月19日に開幕。開幕後、選手で最初の感染者は8月頭のソフトバンク・長谷川勇也だった。感染防止ガイドラインを遵守し、厳しい対策を重ねてきたこともあり、開幕当初の3カ月間はこうした集団感染には至っていなかった。それがペナントレース終盤にさしかかるや、両リーグの2位チームに悪質なウイルスが襲いかかった。
正直なところ、今季のセ・リーグは独走している巨人の優勝を疑う者はいないだろう。10月6日現在で2位阪神とは13ゲーム差。今季のセ・リーグはクライマックスシリーズ(CS)も中止されたため、2位以下は最下位でも同じ、という見方もできる。阪神球団に与える影響は軽微だ。
だがロッテは違う。首位ソフトバンクを僅差で追っている。ロッテのペナントレースでのリーグ優勝は、1974年までさかのぼる。12球団で最もリーグ優勝から遠ざかっているチームなのだ。加えて3位楽天もしぶとく食らいついてきている。今季のパ・リーグのCSはファーストSが中止となり、リーグ1、2位球団の直接対決のみ。2位と3位では雲泥の差なのだ。
感染者も遊撃手と外野手に集中してしまった。ポジションの内訳で見ても、ダメージは大きい。
ロッテの松本尚樹球団本部長は離脱した選手たちに対して「謝る必要はない。1日も早く回復して現場に戻ってきてほしい」と伝えたという。では実際にコロナウイルスの影響で離脱した選手たちは、いつ戦線に復帰できるのか。いくつかのモデルケースに分けて推察していきたい。
①発症者 開幕後、最初の感染者であるソフトバンク・長谷川は、微熱や体調不良などを訴えて感染にとどまらず発症していた。8月1日にPCR検査を受け、陽性反応を示した。復帰にはPCR検査で24時間以上の間隔を空けた上で続けて陰性判定を受ける必要があるが、なかなか連続で陰性にならなかったという。自宅待機は1カ月近く続いた。9月4日に2軍のチーム練習に合流。9月11日に2軍で実戦復帰を果たした。1軍昇格は9月末だったが、そこはチーム事情にも左右されてくる。野球選手としてパフォーマンスを発揮できるかをはかる期間としては、2軍実戦復帰までの「40日間」とみればいいだろう。
②無症状 オリックス・竹安大知は9月24日、チームの1カ月に一度の定期検査で陽性判定を受けた。ただし無症状で体調に異常はなかった。管轄の保健所の指示で自宅待機を続け、PCR検査での陰性判定を受けて、10月6日に2軍に合流した。こちらは復帰まで「2週間」といったところか。