100回大会「箱根駅伝」の勢力図は? 大本命・駒澤エクスプレスを止めるチームは現れるか
中央大にしても国学大にしても、とにかく前半区間で駒澤大に離されないことだ。
ここで先頭を行かれてしまうと出雲や全日本のように一方的な展開になってしまう。山の区間にどれだけ自信があろうが、とにかく前半区間で駒澤大に喰らいつく、あるいは前に出る展開を目指していけないと勝機を掴むのはなかなか難しい。
駒澤大プラス3校に絡んで来そうなのが創価大と城西大だ。
創価大は出雲駅伝2位、全日本6位と結果を出してきており、チーム状況がすこぶる良い。また、寮を始め環境面が素晴らしく、吉田響(3年)が入ったことで選手が刺激を受け、全体のレベルも上がった。吉田は5区に起用されているが、吉田までにいい展開で繋いでいければ往路優勝が見えてくる。
城西大も出雲駅伝3位、全日本5位を安定した結果を残している。「俺たちはやれるんだという自信を掴んだのが大きい」と櫛部静二監督はチームの成長に手応えを感じている。5区に山の妖精こと山本唯翔(4年)がおり、2年生エースの斎藤将也、留学生のキムタイと3本柱が健在で、往路は優勝争いに絡んでくるだろう。
おもしろい存在なのは、東海大だ。
2019年の95回大会の箱根駅伝で初優勝をした後、チームは下降線をたどり、ここ2大会は11位、15位と2年連続してシード権を失っている。箱根予選会も10位通過で、一時期の強さを見せつけることができていないが、エントリ―メンバー上位10名の10000mの平均タイムは、28分32秒12で23校中4番目に早いタイムだ。エースの石原翔太郎(4年)が7区、越陽汰キャプテン(3年)は補欠に回ったが、次世代のエース花岡寿哉(2年)が2区に入った。強い2年生が1区2区に入ったが、どこまで上位に喰らいついていけるか。「復活の狼煙」がチームスローガンだが、2年生中心の世代が好走すれば大手町でシード権獲得の「勝ち鬨」をあげられるだろう。
駒澤エクスプレスを果たして、どこのチームが止めるのか。それとも駒澤大が各校の刺客を跳ね除けて2年連続での3冠を達成し、100回大会の歴史に名前を刻むのか。
どうやら過去最高の箱根駅伝を堪能できそうだ。
[取材・文:佐藤俊]
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