なぜソフトバンクは勝てなくなったのか 3連覇オリックスとの「育成力」の差とは

タグ: , , , , , 2023/12/31

 一方、オリックスでは2023シーズン、プロ3年目にして彗星のごとく現れた山下舜平大が大きく注目を集めた。伸びのあるフォームから150キロ超の直球、変化球とのコンビネーションも冴え、シーズン9勝と快進撃を続けた。ほかにもシーズン途中から存在感を示したのが6年目の東晃平だ。昨シーズン途中に支配下を勝ち取り、日本シリーズにも先発。強気に攻める投球スタイルもはまった。また野手ではベネズエラ出身のレアンドロ・セディーニョも右の大砲として、シーズン途中に支配下を勝ち取ると、ポストシーズンでも活躍。勝負強い打撃でチームに勝利をもたらした。

 決して育成選手を多く抱えているわけではないが、これぞという選手に目をつけ、じっくり育成、確実に芽を出させるというシステムが機能している。

 背景には選手ファーストで知られる中嶋聡監督の起用法、また日本ハム時代に、ダルビッシュ有、大谷翔平らのフィジカル面も担当した中垣征一郎巡回ヘッドコーチの存在も大きいとされる。現場、スカウト、フロントが一体となってチームの目指す方向性を確認しながら進んでいることで「宝の山」ともいわれる、優秀な人材を確保、着実に育成につなげている。

 一方、ソフトバンクではこのオフに入って、ベテラン、中堅選手から育成システムをめぐり選手から苦言の声も聞かれた。覚悟を感じさせたのは投手陣の最年長左腕、和田毅の発言だった。「厳しくなるかもしれないですが、育成選手はプロ野球選手ではないと思う」として、一軍とファームではユニホームを変えることを提言。和田だけではなく育成から支配下を勝ち取った牧原大成外野手も契約更改の場で、育成選手へゲキを飛ばす場面もあった。

 背景にあるのはチームへの危機感だろう。「育成のソフトバンク」として、千賀滉大、甲斐拓也など主力まで這い上がった選手がいる一方で近年は4軍制まで有しながら、一軍に定着できるほどの選手は出てきていない。主力選手からは、育成選手に向けて、必死さが欲しいという声も上がるなど、今や「育成」はオリックスが十八番となっている現状がある。

 このまま手をこまねいているわけにはいかない。今オフは西武から右の大砲、山川穂高獲得と大きな動きもあったが、補強と育成の両輪があるからこそチームも前に進める。果たして来季オリックスを止めるのはどのチームとなるのか、ソフトバンクからもイキのいい投打の若手が出てくることを願いたい。





[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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