ホンダのF1復帰説が再燃 キーワードは撤退理由でもある「カーボンニュートラル」
F1オーストリアGPを走るレッドブルのマシン((c)RedBull Content Pool)
昨季でF1のワークス活動を終了したばかりのホンダのF1復帰説が再燃している。
今季はレッドブル、アルファタウリの2チームがホンダのパワーユニットをベースにした仕様を投入しており、名義は「レッドブル・パワートレインズ」となっているが、もともとホンダがレッドブル陣営に知的財産権を譲渡したのではなく、使用権を許諾するという契約になっていることが明らかになっている。
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いわゆる技術供与の形ではあるが、実質的にはF1活動は小規模ながら継続され、レッドブルのマシンのエンジンカウルにもホンダのモータースポーツ統括会社「HRC」(ホンダレーシング)のロゴが貼られている。ホンダ側の技術的な機密もあることから、レッドブル側には図面は渡されてはいないという。
F1のパドックをざわつかせたのは10日に決勝が行われた前戦オーストリアGPだ。レッドブルの地元で開催されたレースにホンダの三部敏宏社長、倉石誠司会長、HRCの渡辺康治HRC社長、HRCの浅木泰昭四輪レース開発部部長らが視察に訪れた。あくまでもテクニカルパートナーとして表敬訪問したという体裁になっているが、新たなパワーユニットのレギュレーションになる2026年からのF1再参入のうわさで持ち切りとなった。
F1公式サイトによると、現地で取材に応じたHRCの渡辺社長は「F1はトップのモータースポーツカテゴリーだから、F1の世界で起きていることは常に『注視』している。ただ、我々は(F1)活動を終えたばかりなので、ホンダ社内では2026年シーズンについて議論はされていない。ノープランです」としつつも「ドアは閉ざされてはいない。私の理解では、F1は2026年のレギュレーションを決めるために議論しており、方向はカーボンニュートラル(脱二酸化炭素)化に明確に進んでいる。我々も同じ方向を向いている」と語った。