イチローの殿堂入りで起きた“疑惑の1票” ヤ軍主将ジーターは投票の公平性を訴え「正直、うんざりしているところはある」
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イチロー氏の殿堂入り投票に意見を投げかけたジーター氏。(C)Getty Images
疑惑めいた1票の行方にレジェンドも異論を唱えた。
現地時間1月26日、米ニュース局『FOX News』の取材に応じた元ヤンキースの遊撃手であるデレク・ジーター氏は、今月21日に発表となった米殿堂で、イチロー氏が満票選出に1票だけ及ばなかった件に関して「説明はあるべきだ」と主張。投票基準の透明性を求めた。
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無論、殿堂入りそのものは文字通りの快挙である。日米通算で4367安打を放ち、さまざまな歴史的偉業を成し得てきたイチロー氏だけに、発表前には「もはや問題は満票で選ばれるかどうか」と論じられ、MLBの野手史上初の満票選出への機運は高まっていた。
それだけに得票率99.7%にもかかわらず、イチロー氏の殿堂入りは波紋を呼んだ。そして、米殿堂入りの投票権を持つ全米野球記者協会の記者たちに辛辣な批判が噴出。「正直に名乗り出てほしい」や「投票権を剥奪すべき」といった選考基準の説明を求める声が相次いだ。
役時代にワールドシリーズを5度制覇し、20年に殿堂入りを果たしているジーター氏も、イチロー氏と同様に1票差で満票選出を逃したレジェンドの一人。それだけに今回の騒動に思うところはある。「別に、みんなが私に投票すべきだったとか、イチローに投票すべきだったなどと言うつもりはない」と前置きした上で、こう投げかけている。
「正直、こういう論争にはうんざりしているところはある。ただ、殿堂入りした選手の中には、100%の投票を受けていないことが信じられない選手がたくさんいる。自分は公平性が必要だと追っている。多くのメディア関係者は、アスリートに対して責任と説明責任を求めてくる。それならば、彼ら同じことをすべきだ」