元メジャーリーガー・田澤純一がドラフト指名から漏れた理由とは
新人を優先する、という姿勢を打ち出し、最下位指名すれば「貴重な1枠」などという言葉ではくくれない。どの球団も、指名しようと思えばできたのだ。
ではなぜ声が掛からなかったのか。単純に力不足、という言葉以外当てはまらない。
埼玉では16試合に投げ、防御率3・94。球速は150km前後をマークすることもあったが、日本のボール、マウンドへの適応にも手こずり、かつてメジャーリーガーをなで斬った全盛期の姿は見られなかった。
来年6月で35歳になる、という年齢面も大きなネックになった。
そもそもメジャーでも、ここ数年はパフォーマンスの低下が著しかった。
田澤は2010年に右肘のトミー・ジョン手術を受けている。この手術は全治1年以上だが、術後には球速が上がる傾向があるなど、完全復活を望むことができる。一方で復帰後2、3年と勤続疲労をためこむと、再びパフォーマンスが低下して、再手術に追い込まれる例も少なくない。
2012年に本格復帰した田澤は、術前を上回る投球をみせ、このシーズンは37試合で防御率1・43とキャリアハイと言っても良い数字を残した。
2013年も71試合に投げ、抑えの上原につなぐセットアッパーとしてワールドシリーズ制覇に大きく貢献した。2014年も71試合で防御率2・86。ただし、この年を最後に成績は急降下を始める。
2015、2016年はともに50試合以上に投げたが、防御率は4点台。マーリンズに移籍した2017年は55試合に投げ、防御率5・69まで悪化した。2018年は31試合で防御率7・07。かつての輝きは完全に失われていた。
華やかな実績の一方で、ここ数年の数字を見れば高く評価できる点はなかった。システムの問題も、NPBを捨てた過去の経緯も全く問題ない。ただ単に力がなかったというのが唯一無二の理由だろう。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
・今すぐ読みたい→
プロ野球ドラフト伝説 「外れ1位」から大化けした選手たち https://cocokara-next.com/athlete_celeb/draft-miss/