ラグビー・福岡堅樹の次の夢は医師、自身の手術をモニターで観察し「人体実験」!?医師を目指すキッカケとなった主治医の言葉とは?
自身の手術の様子をモニターで観察
本気度が違う。
靱帯断裂でひざに入れたボルトの除去手術を内視鏡で受けたとき、一般的には全身麻酔を行うが、福岡は下半身の麻酔だけにとどめ、手術の様子を観察したという。
「手術の手順に興味があったので、頼んで手術中の様子をモニターで見せていただきました。とても勉強になりました」
自らを『人体実験』にする発想は、よほど高い志がないとできない。
福岡県で生まれ、県内屈指の進学校・福岡高では花園にも出場。だが医学部の受験には2度失敗。簡単なことではなかった。
「両立を目指して結局、二兎(にと)を追うことはできなかった。でも医学は何歳からでも取り返せるけど、いまはラグビーを優先したい」
筑波大の情報学群に進み、医師を将来的な夢に変え、今しかできないラグビーに本腰を入れる決断をした。
大学在学中に日本代表入り。期待された今大会は、南アフリカに敗れた9月のテストマッチで右ふくらはぎを負傷。またもケガに泣かされた形で、開幕のロシア戦はベンチ外だった。だが2戦目アイルランド戦から、持ち前の決定力を発揮して3試合連続トライ。スコットランド戦では50メートル5秒8の快速を生かした40メートル独走トライも決め、完全復活を印象づけた。