プロ野球界で50年働いて 「ノムさんの懐刀」が語る野球界で生きて行くと言う事
30歳過ぎたらある程度の選手は峠を越えて、「この人そろそろ引退かな」とかそういう目で見られてくるわけです。けれど、そこで30歳を過ぎた選手が18歳、19歳といった若い選手に負けないくらい一生懸命やる。これがもう本当に目立つんです。そうすると、そこで今度は選手としての評価ではなく、指導者、裏方、フロントスタッフ、球団職員と言うようなプロ野球界に関われる色んなチャンスを得る事に繋がるんです。
そういった意味では、野球というのは50歳を過ぎてからでも出来るんです。それは選手ではなくても、スコアラーかもしれないし、スカウトかもしれない。でも、これが野球なんです。選手がいて、スカウトがいて、遠征の手配をする仕事があり、編成の仕事があって…。
こういう世界の中で飯を食っていくことが、プロ野球の世界で生きていく事ではないのか、そういう話をするんです。
元巨人の岩舘選手に、彼が入団当時に縁があって知り合いこの話をしました。最初は、何を言っているのか、と思っていたみたいでした。ですが、何年か経って会った時に、ちょうど彼は日本ハムでスカウト兼編成の担当をしていました。その時にこう言われたんです。
「松井さん。あの時は何を言っているか分かりませんでした。でも今思えばあの時の言葉が理解できます。」
ですから、私は2軍の指導者をやっていた時でも、その時は伝わらなくても、後から薬のように効いてくればいい。そういう心がけをもって常に行っていました。
これはヤクルト時代、結果が出ずに2軍で必死に取り組んでいた時に、当時の2軍監督田口監督(のちヤクルト球団社長)であったり、周囲の方からの評価を描いたものだと思っています。
続く。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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