大谷に唯一投票しなかった記者 NPBの投票方法、類似ケースは?
大谷に投票しなかった理由
これに対し、同記者は投票理由を説明した。
「自分の中の評価基準があり、大谷は負傷により長期間欠場した。自分はアンドゥハーが受賞すると思っていた。だが投票者のほとんどが自分とは違う意見だった。心から大谷の新人王をたたえたいと思う」
同記者の評価基準「シーズンを通して活躍できたかどうか」の観点から大谷を外した。
ただレイズ2選手に投票したことで「地元愛」が強調され、記者の資質に疑問符が投げかけられた。結果が公開される分、大リーグ記者の投票責任は重い。
ナ・リーグでは26本塁打を放ったアクーニャ(ブレーブス外野手=20歳)が新人王に輝き、ダイヤモンドバックス平野に3位票が1票だけ入った。平野に投票した記者がロサンゼル支部所属の日本人記者だったため、「日本人だから日本人に投票した」と一部で批判を受けた。
NPBでも同じようなケースが…
似たようなケースは、日本のプロ野球でも起こっている。中日京田が受賞した17年セ・リーグの新人王争い。巨人長嶋に次ぐ149安打を放った京田と、10勝したDeNA浜口の一騎打ちと見られたが、大方の予想と違う投票結果が出た。
①京田(中日)208票
②大山(阪神)49票
③浜口(DeNA)27票
京田の1位は順当だったが、出場75試合、打率.237、7本塁打の大山が、浜口を上回って次点となった。これに対し、SNS上では
「大山を選んだ記者は理由を説明しろ」
「関西のマスコミが阪神の選手を持ち上げすぎ」
などと批判が殺到し、物議を醸した。
日本の投票方法は全国の新聞、通信、放送各社に所属し、プロ野球取材経験5年以上の記者の投票(1人記入)の合計点により選出される。米国と最も違うのは、どの記者がどの選手に投票したかは公開されないことだ。
新人王のタイトルは、野球選手にとって一生に一度の機会しかない。それだけに投票する記者も、1票の重みを認識し、責任を負わなければいけない。今後、日本でも記者投票ルールを改善していく必要がありそうだ。
【過去の日本人メジャーリーガー新人王】
◆95年野茂英雄(ドジャース=当時27歳)
28試合13勝6敗、防御率2.54、リーグ最多236奪三振
全28人の投票で、1位18票を獲得。2位チッパー・ジョーンズ(ブレーブス)と14点差の接戦だった。
◆00年佐々木主浩(マリナーズ=当時32歳)
63試合2勝3敗37セーブ、防御率3.16
全28人の投票で、1位17票を獲得。32歳での受賞はメジャー史上2番目の年長だった。
◆01年イチロー(マリナーズ=当時28歳)
157試合、6本塁打、69打点、56盗塁、打率.350
全28人の投票で、1位27票を獲得。2位CC・サバシア(インディアンス)らを大きく引き離しての圧勝だった。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]