井上尚弥戦は「金が目的じゃない」 WBA2位の挑戦者が急転直下で舞い込んだ大一番への心境告白「楽な相手とやりたくない」

数多の挑戦者を打ち崩してきた井上だけに、「地獄のパンチ力」を秘めるカルデナスも打倒は容易ではない。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext
「噂が出た時点で、これは対戦が決まるなと感じていた」
さらに「噂が出た時点で、これは対戦が決まるなと感じていた」と正直に胸の内を明かしたカルデナス。もっとも、現時点で総合的な実力の面から見ても井上の有利は揺るぎない。メディアやファンの下馬評も“モンスター”の「勝利は堅い」という見方が大半を占めるだろう。
ただ、そうした世間の風潮を理解するチャレンジャーは「俺は偉大になる」と意気込む。一部で“無名”と揶揄されてはいるが、カルデナスにも「地獄のパンチ力」で印象深いKO劇も見せてきた自負がある。
井上という強大な壁に挑む29歳は、こうも続けている。
「とにかく見てればわかるよ。試合を見てくれと言いたい。イノウエとの試合が決まった相手は、『大金が貰えて幸運だ』って感じに思われるけど、俺は金のためだけに試合をするわけじゃない。俺は彼とやるリスクをとって、偉大になるためにここにいるんだ。
俺のキャリアは他の選手たちみたいに万全のサポートを得られたわけじゃない。それでもここまでやってきた。だからこのチャンスは逃せない。自分の価値を証明したいんだ。自分が何者かってことを俺は証明したいからやるんだ」
確かに昨年11月にサウジアラビア・リヤドで同国政府主導のエンターテイメントイベント『Riyadh Season』との推定30億円のスポンサー契約を締結した井上の価値は、軽量級の枠を超えたものとなっている。当然ながら、試合をすれば、ビッグマネーが見込めるのも間違いない。それでもカルデナスにとって何よりも重要だったのは「偉大なるチャンス」だった。
果たして、「楽な相手とはやりたくない。俺は口だけじゃなく、行動で証明する」と豪語する男は、キャリア最高となるであろう井上との試合をいかに戦うのか。いまだ正式発表が待たれるところではあるが、ゴングへの機運は確実に高まっているだけに、ラスベガス決戦の行方をしっかりと見届けたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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