カルデナスに「可能性はない」 井上尚弥の練習相手が米放送局で語った“現実”「ナオヤは常に本気。だから挑戦者が脅威と思えない」

いかなる相手もねじ伏せてきた井上。その凄みを肌身で知る練習相手が正直な想いを打ち明けている。(C)Lemino/SECOND CAREER
世界的な関心、そして圧倒的な勝利への期待は高まる一方だ。来る5月4日に米ラスベガスのT-モバイルアリーナで、WBA世界スーパーバンタム級1位ラモン・カルデナス(米国)との防衛戦に挑む同級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)だ。
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自身5度目となる海外試合だが、規模は過去の試合とは比較にならない。舞台は、業界屈指のビッグマッチが組まれるメキシコの記念日「シンコ・デ・マヨ」の一週間にあたる日付のラスベガス。さらに大橋秀行会長が「過去最高(の金額)を手にすると思う」と言うように、ファイトマネーも軽量級戦士としては異例の大金が支払われている。
すでに米スポーツ専門局『ESPN』での生中継も決定するなど、関心度も高いビッグマッチにあって、対峙するのは「ダイナマイト」や「地獄のパンチを持つ男」と称されるWBA2位のほか、IBF8位、WBO10位の世界ランカーのカルデナス。その異名が示す通り、要所で一撃は“モンスター”の牙城を崩すかもしれない。
ただ、実際に双方と拳を交わしたファイターにとって“差”は明確だという。米スポーツ専門局『ESPN』のYouTubeチャンネル「ESPN Knock Out」に出演したWBA同級11位のブライアン・アコスタ(メキシコ)は下馬評の通りに「井上優位」の見方を改めて公言した。
今年2月にカルデナスと対戦して判定負け(0-3)を喫していたアコスタは、井上のスパーリングパートナーとして来日経験があるパンチャー。実際の試合と練習という違いはあるものの、両雄の拳を目の当たりにしてきた。
だからこそ、彼は「ボクサー目線から見て、正直に言わせてもらえば……、いや本音を言うと、(カルデナスに)可能性はないと思う。彼がナオヤに勝つことはない」とピシャリ。そして、そう論じるワケを説いている。
「それが現実だと思っている。俺はナオヤと一度だけじゃなくて、何度もスパーリングをやってきた。みんなも知っていると思うけど、彼のスパーリングは常に本気なんだ。手を抜くなんてありえない。ガチガチのスパーリングで、倒せると思えば、容赦なくKOを狙ってくる。幸い、俺は自分の実力のおかげで倒されることはなかったけど、ああいう経験をすると、チャレンジャーがナオヤにとって本当の脅威になるとは思えない」