松田宣浩がプロ16年目を振り返る 成績は「ゾッとする」来季へは「『ビッグフラワー』を咲かせましょう!」

タグ: , , 2021/11/30

今季も「ゾッとする」数字だった

一方で、松田個人の成績に焦点を当ててみると、今季は115試合に出場し、打率.234、14本塁打47打点と、これまでの成績からすると物足りない数字となった。

自身の数字を率直にこう振り返る。

「昨年のインタビューでも、昨季の数字を見てゾッとすると話しましたが、それは今年も変わらずです。やはり成績が良くても、続かなかったということ。調子の波、成績の波というのを少なくして行けたら良かったというのが反省です。

プロ生活を16年もやらせてもらっていると、毎年『これくらいはいけるやろ』という感覚みたいなものがある。ただ年齢的なものもあるし、年齢的な衰えというところで、その数字は僕個人が思っているよりも、さがってきているのも事実です。若い時とは違ってきているのかなという感覚が、この2年感じています。

ただ、そればっかり言っていても上がることはないと思いますので、まだまだ39歳のシーズンを上がって行けたらいいなと思います」

一方、チーム内競争も激しさを増している。これまで「三塁手」としてポジションを確立してきた松田。だが、今季終盤には若手のリチャード選手が三塁手として先発する試合も増えるなど若手の台頭も目立った。チームの世代交代も話題となる中、松田自身は「若手との戦い」についてどのように感じているのだろうか。

「『世代交代』というのは、チームが負けた翌年だから尚更クローズアップされると思います。ですが、やっぱりポジションって与えられてやるものではない。奪い合うというのがライバルが沢山いるということだと思うので、沢山のライバルと共に切磋琢磨して一緒にポジションを争っていけたらと思います」

そんな苦しいシーズンの中で、今季は史上44人目となる300本塁打を達成。自身も1年間怪我なくできたことと共に、この記録達成をシーズンでの良かった点として挙げている。

球団では、野村克也(645本)、門田博光(503本)、松中信彦(352本)、小久保裕紀(319本)に次いで、5人目。偉大なる先輩たちと同じ記録を達成したことについて率直にどう感じているのだろうか。

「これは自分本人しかわからないですが、早いか遅いかと言われれば、遅いとは思います。ただ、あとから44人目と聞いたときに、すごい数字なんだなと思いました。300本を打ったときに1番クローズアップされたのが1本目だった。その1本目を打てた時から今301本まできましたが、こんなレベルのすごいところに入って野球をしているんだと思いました。そこを経験したからこそ300本という数字をクリアできた。ここからは、400とは言わずに、一本一本ホームランを打てば『熱男』ができるので、モチベーションを上げてやって行けたらいいなと思います」

来季は「ビッグフラワー」を咲かせたい

今季、チームが4位に終わったことを受け、7年間指揮をとってきた工藤監督が退任。その後任には、今季まで2軍監督を務めた藤本博史氏の就任が決まった。

かつて自身と同じ背番号「5」を背負って戦った「先輩」でもある新監督の印象を聞くと、松田らしいこんな答えが返ってきた。

「数年前に(藤本監督が)1軍コーチをやられていた際にも一緒にプレーはしていますが、そのときから先日久しぶりにお会いしました。全くヒゲも量や濃さも変わってなくて、藤本さん変わってないなと思いましたね(笑)野球熱心ですし、僕の中では、『練習にしっかり付き合ってくれる人』だと思っている。そういう方が監督になればチームもよくなると思います。」

藤本新監督の就任に伴い、コーチ陣も大きく入れ替わるなど、新体制へ向けチームは既に動き始めている。

来季は39歳で迎える松田にとっても、勝負の年とも言えるだろう。

最後に、来季へかける決意と想いについてこのように語ってくれた。

「もう一回『自分個人』というものをしっかりと持って、自分を主張してもいいかなと思います。自分が打てば、結果を出せば試合に出れる世界なので、そこにもう一回重きをおいてやってきたらと思いますし、『ビッグフラワー』を咲かせましょう!頑張ります!」





[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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