「馬の力」はよくても「機械の力」はダメ?!今もなお議論されるモータースポーツのオリンピック競技参加への課題とは?
FIAのカート委員会会長を務めるフェリペ・マッサ(モビリティランド提供)
最近では電動レーシングカートが議論された。国際自動車連盟(FIA)のカート委員会の会長に元F1ドライバーのフェリペ・マッサが就任。次の2024年のパリ大会の採用を目指し、2018年にアルゼンチン・ブエノスアイレスで行なわれた第3回ユースオリンピック夏季大会で電動カートによるデモンストレーションレース開催を実現させた。
ジャン・トッドFIA会長も昨年1月にスイス・ローザンヌで行われたユースオリンピック冬季大会を視察し、「安全で持続可能な環境において、電動カートはモータースポーツを紹介する上で面白い方法」と売り込みをかけた。が、残念ながら、その年の12月に開催されたIOC理事会ではパリ五輪の追加競技に盛り込まれなかった。
ただ、FIAやオートバイ競技を統括する国際モーターサイクリズム連盟(FIM)はIOCの認可団体になっており、車体、電気モーターを含めたパワーユニット、タイヤなどを全選手共通にすれば、今後、五輪競技に関与する道が開ける可能性は残されている。
競技とは関係ないものの、F1マシンが五輪を彩ったことはある。2006年のトリノ冬季五輪の開会式では、赤一色のフォーミュラカーがアトラクションの1つとしてドーナツターンを披露した。トリノはフェラーリを傘下に収めていたフィアットの本社があり、前年型のフェラーリF2005を改良したマシンを元F1ドライバーでイタリア出身のルカ・バドエルが操った。
モータースポーツはそもそも純粋なスポーツなのか、興行要素の強いエンターテインメントなのか、意見が分かれる面もあるのは確か。さまざまなハードルをクリアする必要はあるようだ。
[文/中日スポーツ・鶴田真也]
トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)
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