ぽっちゃり選手の成功例が多い西武…「ポスト山川」は花巻東・佐々木麟太郎か
西武には山川を始め、どっしりした体型の選手が目立つ(C)Getty Images
西武には巨漢というより、「ぽっちゃり」「ずんぐり」「お相撲さん」タイプの体型をした選手の成功実績が多い。
現役最多462本塁打の中村剛也(175センチ/102キロ)を筆頭に、本塁打王3度の山川穂高(176センチ/103キロ)、プロ野球無失点記録(39回)を持つ平良海馬(173センチ/93キロ)。いずれも見た目はトップアスリートのイメージとはかけ離れているが、たぐいまれなパワーを野球界で存分に発揮している。
【関連記事】女性問題で書類送検の西武・山川穂高 今後の「行く末」とささやかれる「引き取り手」とは
西武でスケールの大きな選手として開花するのはなぜか。本塁打王6度の中村が初めてタイトルを獲得したのは高卒入団7年目。伸び悩んでいた08年、当時の渡辺久信監督から「三振してもいいから、たまにホームラン打ってこい」と言われた中村。「あの言葉に救われた」と46本塁打を量産して初タイトルを獲得するとともに、豪快にリーグ最多162三振も喫した。今季、中村が記録したプロ野球初の2000三振は、球界を代表するスラッガーの勲章でもある。
小さくまとまらなくていい。失敗をおそれず、打者なら遠くに飛ばす、投手なら三振を奪う。馬力のある選手を獲得し、長所を伸ばす育成法が、渡辺監督がGMとして残る今もライオンズの伝統として継承されている。
スカウト陣も方針を共有する。一見すると敬遠しがちな「ぽっちゃり体型」への先入観を、西武は持たない。中村や山川、今季出場を増やしている20年ドラフト1位渡部健人(176センチ/115キロ)も含め、決して足は遅くない。体型から「動けない」「体力がない」といった偏見を持たず、むしろ積極的に同じタイプを集めているようにも見える。独自のスカウティング能力も、異例の成功を支えている要因だろう。