いよいよ天下取りへ レッドブルと組んだホンダが連続表彰台を獲得できた要因とは
トップでチェッカーを受けるフェルスタッペンのマシン(ホンダ提供)
マクラーレンから3年で三くだり半を突きつけられ、18年からレッドブルのジュニアチーム的存在のトロロッソ(現アルファタウリ)が新パートナーとなったが、従来の提携相手だったルノーと継続して組む選択肢もあっただけに、トロロッソのフランツ・トスト代表は他チームから「あなた方は完全にどうかしている」と諭されたこともあったという。
ホンダではメルセデスやフェラーリに太刀打ちすることはできない。それが当時の業界内の考え方だった。「レッドブル・ホンダ」の新コンビが固まりかけると、所属選手だったダニエル・リカルド(オーストラリア)は勝ち目がないと見越して、ルノーへの移籍を決断したほどだった。
結果的にはマクラーレンと組んだのは正解だった。チーム側の強い要望でパワーユニットをコンパクトに作るという「サイズゼロ」のコンセプトが大失敗だったと気付かされ、設計を根本から変更。トロロッソと組んでからはは日本人技術スタッフを刷新する大なたを振るい、チーム側と一緒にトライアンドエラーを進めていく体制を敷いた。
ホンダの山本雅史マネジングディレクターも「マクラーレンの3年間では、F1に参加していなかった遅れを取り戻す勉強をさせてもらった」と貴重な試行錯誤の期間となったことを強調しており、開発のノウハウも培えたことで、レッドブルとのコンビ2年目となった今季は大きなトラブルがほとんど見られなくなった。
もともとレッドブルは現行のハイブリッドエンジン以前のV型8気筒自然吸気エンジン時代に4連覇した強豪。レース戦略も的確で勝ち方も心得ている。70周年記念GPではフェルスタッペンの同僚アレクサンダー・アルボン(タイ)も5位を獲得。2、3位だったメルセデスよりも獲得ポイントが1点多かった。これは今季で初めてのことだ。
レッドブルと組んだことで、ホンダの天下餅もそろそろ食べごろになってきたもようだ。次は3週連続開催の3戦目となる第6戦スペインGP(16日決勝)。メルセデスとのがっぷり四つの戦いが期待される。
[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]
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