佐々木朗希に付きまとう「ＷＢＣの不安」 代表当落は吉井コーチにとって「究極の選択」に
中長期プランの育成で大器を開花させたロッテにしてみれば、もっとも怖いのが故障だ。シーズン前の体ができていない３月に、ピークをもっていく調整の難しさ。国の威信をかけた戦いで気持ちが高ぶり、無理をしてしまう可能性。ＷＢＣ球に慣れた後、プロ野球の使用球に戻して肩肘にかかる負担。これまで故障リスクを未然に回避し、球団をあげて金の卵を大事に育ててきただけに、 ＷＢＣ出場となれば不安は尽きない。
誰よりメンバー選考に悩むのは、ロッテの監督でもあり、侍ジャパンの投手陣を任されている吉井コーチだろう。将来の日本を背負って立つ佐々木朗には、ＷＢＣを経験させることでさらに飛躍させたい。代表では大会期間中も同行し、自らの手元において管理できる安心材料もある。
一方で、ＷＢＣ球への対応に不安を残すとなれば、特別扱いで代表入りさせることはできない。ロッテ監督就任１年目のチームのことを考えれば、発展途上の佐々木朗には無理をさせる時期ではなく、エースとして1年間ローテで回る準備をしてほしい気持ちもあるはずだ。
限られた代表枠を考えれば、最終選考の当落線上にいるであろう佐々木朗を選ぶか、それとも落とすか。指導者として二足のわらじを履く吉井監督にとって、「究極の選択」になるかもしれない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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