甲子園常連校 スカウティングのボーダーレス化が加速 関西から関東、関東から関西へ その背景とは
その背景には何があるのでしょうか。前述のスポーツライターはこう解説するのです。
「松坂さんの時代と何が変わったのかといえば、誰もがスマホを持ち、進路について有益な情報を得られる『超情報化時代』になったというのが大きいでしょう。全国にどんな有望中学選手がいるのか、選手側からすればどんな進路があるのか、水面下では様々な情報が飛び交い、スカウティングを巡る“争奪戦”が展開されています。大切な子供を送り出す保護者にとって、最も関心があるのは『出口』、つまり進路です。両校のような名門校はプロのスカウトも足繁く視察を繰り返しますし、東京六大学、東都大学をはじめとする名門大学とのパイプも強い。これは大きなメリットと言えます」
「甲子園出場と進路という二つのゴールを『公約』として掲げられる高校があれば、所在地がどこでも関係ない。そして横浜と智弁和歌山の場合、監督、部長の人間性が秀でていて、選手たちが『この人に教わりたい』と思うことが一番大きいとも聞きます。どの世界であろうと、最後は『人』ということでしょう」
東大、京大に行くために、エリアを超えて開成や灘といったエリート進学校を志す中学生がいても不思議ではないように、高校野球の世界もいっそうのボーダーレス化が進んでいきそうです。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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