「本当に難しい決断」 元西武・木村昇吾が明かす「FA宣言」の心の葛藤
木村昇吾です。日本シリーズはソフトバンクが広島を4勝1敗1分で制し、2年連続9度目の日本一を飾りました。願わくば現役時代に在籍していた広島と西武で日本シリーズを戦ってほしい思いはありましたが、ソフトバンクは本当に強かった。豪州でクリケットに励んでいますが、YouTubeで試合の様子は少し見ていました。ハイレベルな戦いで野球ファンも感動したと思います。敗れてはしまいましたが、リーグ3連覇を飾った広島、パリーグの覇者・西武の選手たちは本当に頑張ったと思います。
そしてシーズンが終わり、ストーブリーグの時期に入りました。今年はFAで大物選手が多いのが特徴です。広島・丸選手、西武・浅村選手、炭谷選手、オリックス・西選手、阪神・上本選手…。僕も現役時代にFA宣言した人間です。僕より実績がはるかに凄い選手たちばかりですが去就が気になりますね。
FA権を行使するかは選手個人にしかわからない悩みもあります。傍目から見れば、「優勝チームからなんで移籍するの?」「今の待遇は十分なのに満足しないの?」と色々と疑問に思われるかもしれません。ただ、野球人として考えた時に他球団の評価を聞いて、自分の価値を確認したいという思いは当然あります。僕も広島でFA宣言した際、チームに不満があったわけではありません。広島はお世話になった首脳陣、チームメートと野球できる環境で大好きでした。ただ内野をすべて守れるユーテリティープレーヤーというポジションでなく、もう一度レギュラーとして勝負したいという思いから、悩み抜いた末に決断しました。FA権を取得し、動向が注目されている選手たちは本当に悩んでいると思います。どんな道を進むのであれ後悔しない決断をしてほしいですね。
[文/構成:ココカラネクスト編集部 平尾類]
木村 昇吾(きむら・しょうご)
1980年4月16日、大阪府生まれの37歳。尽誠学園で3年夏に甲子園出場。愛知学院大に進学し、遊撃手でベストナインを5度獲得するなどリーグ通算打率・318、5本塁打。02年ドラフト11位で横浜に入団。07年オフに広島にトレードされ、11年は遊撃のレギュラーをつかみ、自己最多の106試合出場で37犠打をマーク。15年オフにFA権を行使したが移籍先が難航し、西武にテスト生で入団。昨年限りで戦力外通告を受け、クリケットに転身。インドのプロリーグでの活躍を目指す。あずさ夫人と子供は1男2女。
木村昇吾公式サイト(http://shogokimura.net/)