球史で際立つ大谷翔平の偉才 メジャー史上初の金字塔を残した活躍に米記者も激賞「ベーブでも2度はない」
鬼気迫る表情でマウンドに立った大谷。そのパフォーマンスに賛辞が寄せられた。(C)Getty Images
まさに前人未到の大記録を
大谷翔平(エンゼルス)の異能ぶりが脚光を浴びる日となった。
現地8月9日に本拠地で行われたジャイアンツ戦に大谷翔平(エンゼルス)は「2番・指名打者兼投手」で先発登板。投げては6回(97球)、被安打3、1失点と粘投。打っては4試合ぶりにノーヒットに終わったが、1つの申告敬遠含む2四球と1得点を記録して貢献。出色のパフォーマンスで、史上初となる2年連続での「2桁勝利&2桁本塁打」をやってのけた。
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苦しみながら手繰り寄せた勝利だった。
前回登板のマリナーズ戦(現地8月3日)では右手中指のけいれんの影響で、無失点のまま4回で緊急降板。蓄積疲労に対する懸念が残るなかでのマウンドは、決して楽ではなかった。2回1死から二塁打と四球、さらに女房役のマット・サイスの送球エラーが絡んで1死二、三塁とピンチを招くと、センターへの犠牲フライで先制点を献上した。
味方のミスから嫌な流れを作られてしまった大谷だが、そこから自力で立て直した。3回以降はスイーパー中心とした配給から4シームを軸にしたスタイルに変更。ジャイアンツ打線を文字通りねじ伏せ、危なげなく6回を投げ切ったのだ。
間違いなく疲れはピークに達している。それでも淡々と己の仕事をこなしたエースの投球に打線が奮起。大谷の降板が決定的となった6回裏に無死一、二塁の好機で、3番のブランドン・ドゥルーリーが同点タイムリーを記録。さらに4番のマイク・ムスタカスが値千金の3ランホームランをライトスタンドに叩き込み、一気に逆転したのだ。
この得点を守り切ったエンゼルスは4-1で勝利。2連勝を飾るとともに、大谷に10勝目を届けた。