朝倉未来・海、不良たちを成功に導いた前田日明が説く人生の本質、前田日明×大山峻護スペシャル対談1
UWFブームも選手の生活に変化なし
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大山:前田さんって若い頃からヨーロッパで試合をしたり、修業しに行っていましたよね。そこでカール・ゴッチさん(「プロレスの神様」と称される、日本プロレス界に多大な影響を与えたレスラー、トレーナー)に学んだことが後々の流れになっていくんですか?
前田:そうだね。トレーニングとか技術とかもそうだけど、リングスとかに関してはゴッチさんの意見が参考になったよ。ロシア人はサンボの技術が面白いから、ロシア人を入れたのは良いアイデアって言っていたしね。
大山:僕は成功者に2タイプあると思っていて、「夢があってその思いを形にするタイプ」と、「思いもしない、想像を超えた未来を作るタイプ」がいると思うんですよね。前田さんは今の自分を想像していましたか?
前田:全然思いもしていなかった。プロレスラーになるなんて夢にも思っていなかったよ。小学校2・3年生までは、家族が好きだったから日本プロレスの中継でジャイアント馬場やアントニオ猪木を見ていたけど、4年生くらいから『柔道一直線』、『キックの鬼』、とかが始まって、中学に行ったら『空手バカ一代』が始まって、どんどんプロレスから離れていった。当時の自分から今の自分は想像もできなかったよね。
大山:不思議ですね、意図していない方向に人生が動いていくっていうのが。前田さん的に、どうやって今の前田日明になったんだと思いますか?
前田:なんでかな?わかんないね。自分で言うのもあれだけど、根は真面目だからかな。言われたことを言われた通りにやってきただけだよ。
大山:僕はこの質問をいろんな人に聞くんですよ。この前も上場企業の社長になった方に聞いたら、「わからない」と言っていました。そういった方に共通しているのは、「一生懸命に今を生きた」ってことなんですよね。
前田:新日本プロレスに入門して、練習で先輩たちと一緒にスクワットをしたりするんだけど、スピードについていけないのよ。先輩たちは次のメニューにいくんだけど、俺は誤魔化したりしないでちゃんと数終わるまでやっていたからね。
大山:前田さんが今を一生懸命に生きてきた連続が未来を作ってきたんですね。当時、UWFやリングスは社会現象で、UWF信者とか前田信者とかいっぱいいました。
前田:俺たちは社会現象なんて思っていなかったね。選手の生活って単調で、朝起きて練習行って、飯食って昼寝して、また練習して。土曜日になったら飲みに行って酔っ払って、それでまた月曜日が来たら練習して。取材が多くなったり、公演とかイベントが多くなっただけで、他は何も変わらない。選手なんてそんなもんだよ。