朝倉未来・海、不良たちを成功に導いた前田日明が説く人生の本質、前田日明×大山峻護スペシャル対談1
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現在日本の格闘技界を牽引する朝倉未来・海兄弟などを輩出した格闘技イベント「THE OUTSIDER」が約2年半ぶりに復活。格闘技を通じて不良少年の立ち直りや青少年の健全育成を目指す同イベントを手がけるのは、元プロレスラーの前田日明さん。アントニオ猪木氏率いる「新日本プロレス」でデビューし、「UWF」、「リングス」と世の中を熱狂させてきた「格闘王」だ。
そんな前田さんに話を聞くのは、以前から親交のある元総合格闘家の大山峻護さん。柔道選手から総合格闘家に転身し、ヴァンダレイ・シウバやミルコ・クロコップ、ピーター・アーツなどと拳を交えてきた魂の格闘家だ。
新日本プロレス時代のエピソードから、社会現象を巻き起こすための生き方、格闘技や日本の未来に対しての提言など、ありのままを語った。
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猪木さんの言葉を忠実に実現してきただけ
大山:僕は小学生の頃から大のプロレスファンで、会場で前田さんが歩いているところを見つけて「サインください!」って言っていたくらい、前田さんに憧れていました。当時日記に「いつか前田日明に認められる男になる!」って書いていたんですよ。それで僕が大人になって、「HERO’S」に出るようになった時に前田さんにお会いして、挨拶をさせてもらいました。
前田:大晦日のピーター・アーツとの試合の時だね。ピーター・アーツの対戦相手が怪我して、試合の10日くらい前に急遽対戦が決まった試合だから、どうなるかな…って思っていた。だけど蓋を開けてみたら、ピーター・アーツ相手に1Rで一本勝ちだったよね。
大山:前田さんは新日本プロレスでデビューして、UWFやリングス、アウトサイダーを立ち上げ、今ではYouTubeでも活躍していらっしゃる。常に新しいことに挑戦してきた前田さんが、インタビューで「アントニオ猪木さんの教えを忠実に実行しているだけ」と話されていて、それがすごく印象的でした。
前田:猪木さんが、「将来プロレスはこうなっていくんだ」ってことをそのままやっただけだよ。だって俺、プロレスに対して真っ白だったから。ファンでもなんでもなかったし。猪木さんにはいろいろなことを教えてもらったね。
大山:猪木さんと前田さんの関係ってどんな感じだったんですか?
前田:入門した時なんて、猪木さんはテレビに映っているスターでしかなかったよ。猪木さんにとってはどうだったんだろうね。困った変なやつが入ってきたと思ったんじゃない。でも俺は体がデカかったから、なんとかものにしようと思ったんじゃないかな。
大山:猪木さんとのエピソードで前田さんらしいなって思ったのが、初めて猪木さんとスパーリングをした時の話。怒られたりしなかったんですか?
前田:一応聞いたんだよ。自分はレスリングを知らないので何をやっても良いですかって、入門してそんなに時間も経っていない時だから。それで、『空手バカ一代』にプロレスラーを相手にする時は目突きと金的攻撃だって描いてあったから、それを実践した。当然、周りにいる先輩たちにめちゃくちゃ怒られたけどね。
大山:ちなみにそれはクリーンヒットしたんですか?
前田:猪木さん、内モモの筋肉がすごく発達しているから金的は入らなかったけど、目突きは完全に入れたね。猪木さんは怒らなかったけど、先輩たちにはフルボッコにされたよ。藤原(喜明)さんは「馬鹿な奴」って笑ってましたよね。