【後編】金メダルへのコーチング、体操ニッポンを支えたあるコーチの挑戦

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審判団とのコミュニケーション術

 「採点競技なので、選手がいくら有名でもコーチが無名だと何も交渉ができなくなってしまう。私はアトランタ五輪翌年の世界選手権から代表コーチということになりました。そこは1つの練習会場で8か国ぐらいが練習しており、さらにいくつかの練習会場を併設していました。その時に練習前にすべての練習会場を渡り歩いて、アンドリアノフさんが多数の国のコーチや審判を紹介してくれたんですよ」

 恩師であり、8年間にわたって師事を受けた元ソ連の金メダリスト、ニコライ・アンドリアノフ氏が最初の国際大会の会場において、旧知の審判たちを紹介してくれた。そこから人脈を広げることに力を注いだ。

 「よくロビー外交ともいいますが、私は英語ができないんですが、そこからは普段、国際大会に行ったときなどに身振りてぶりで交流していった。普段、夜見かけたらお酒を飲んだりなどもしました」

 草の根交流を続けたことで、大きな果実に結びつく。

 「そういった交流が実を結び始め、何度も審判へ質問をしてきたが、最終的に結果として発揮できたのが、ロンドン五輪でした。最終種目となった内村のあん馬が失敗して、一時は団体総合4位と速報された場面です。今でいう演技価値点に違和感があったので、国際連盟の技術委員一人ひとりに片言で説明しました」

 すると普段から交流を持っている各委員も真摯に耳を傾けてくれたというのだ。結果として、技の難度を正しく採点し直したことで団体銀メダルに輝いた。まさに日頃の交流が実を結んだ瞬間だった。一方でこれは日常生活に置き換えても同じことが言えるだろう。会社を含め、周囲の人々から理解を得るためには、日頃から気脈を通じておくこと。そういった姿勢が大事だというのだ。また長年、体操界に関わってきた同コーチは今後は恩返しもしたいと意気込む。多くのアスリートの活躍を支えてきた名伯楽の歩みは止まらない。





※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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