犯人扱い?現地で「琢磨タタキ」の中で発揮した強靭なメンタルで佐藤琢磨が今季2勝目
肝の据わり方はハンパでない。8月25日に開催された米インディカーシリーズ第15戦(ゲートウェイ)で佐藤琢磨(42)が今季2勝目を挙げた。
同一シーズンでの複数勝利は自身初。これまで市街地コース、ロードコース(常設サーキット)、スーパースピードウェイ(ロングオーバル)で勝利を記録しているが、1周が1・25マイルと短いショートオーバルでようやく勝利を果たし、インディの全コースタイプを制覇した。
優勝を決めてマシンの上でガッツポーズの佐藤琢磨(ホンダ提供)
レース前、琢磨に対する大バッシングが起きて現地は騒然
レース前には琢磨に対する大バッシングが起きて現地は騒然となった。その前の第14戦ポコノで多重クラッシュを引き起こしたとして、まるで犯人のような扱いだった。事故は1周目に起きた。3台が横並びになる「スリーワイド」になった際に、真ん中を走行していたアレクサンダー・ロッシ(米国)とアウト側にいた琢磨が接触。計5台がクラッシュする大事故に発展した。
昨年の大会ではカナダ出身のロバート・ウィケンズが大クラッシュに巻き込まれ、脊椎を損傷。下半身にまひが残ったことで車いす生活を強いられ、選手生命がほぼ断たれた。2015年にはジャスティン・ウィルソン(英国)が飛び散った破片をヘルメットに受けて命を落としている。通常のオーバルコースは楕円(だえん)形をしているが、ポコノはおむすび型の三角オーバル。ドライビングが非常に難しい。
琢磨にぶつけられたと発言したのは当事者のロッシだった。医務室から出た直後にテレビのインタビューを受け、「あのコーナーをあのスピードで横切ろうとしたのは恥ずべきことだ。どうしてあんな運転ができるんだ」と非難。琢磨側がアウト側からイン側に動いたと主張した。
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