開催中止となったラリージャパンが抱える課題「政府のガイドラインに添った隔離措置に従えば…」
11月19~22日に愛知、岐阜県の両県で予定されていた世界ラリー選手権(WRC)最終戦「ラリージャパン」の今年の開催が中止と決まった。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、政府は入国制限を実施しており、海外から遠征してくる300人以上の選手・関係者を一気に来日させるめどが立たなかったという。
オンライン会見するラリージャパン2020実行委員会の高橋浩司会長
モータースポーツの国際大会でも、海外からの渡航の問題でF1日本GP(三重・鈴鹿)、オートバイのロードレース世界選手権日本GP(栃木・もてぎ)、トライアル世界選手権日本GP(同)、鈴鹿8時間耐久ロードレースなどが既に今年の開催を断念した。
ラリージャパンの実行委員会も秋口にコロナが収束傾向になることを信じて準備を進めてきたが、夏場になって国内の新規感染者が激増。判断をギリギリまで粘っても物流面や国内外の出場希望者の経済的な損失に拍車をかけることは必至の情勢で、大会開幕日の3カ月前にあたる8月19日に中止と最終決定した。
大会実行委員会の高橋浩司会長は21日にオンライン会見を実施。中止と判断した根拠を「海外からの選手や関係者の来日のめどが立たないこと」と改めて説明した。
スポーツイベントはそもそも密になりやすく、徹底した感染対策を実施しないとクラスター(感染者集団)が発生しやすい。しかも、ラリージャパンの場合には選手、チームスタッフ、国際自動車連盟(FIA)関係者など多くの外国人が携わることになり、全員が順調に日本に入国できるかも大きなハードルだった。そのために実行委員会は政府や関係省庁に粘り強く働き掛けていたという。