プロ野球から乱闘が消えた3つの理由
今回は、プロ野球の「乱闘」についてです。
火事と喧嘩は江戸の華。プロ野球においても乱闘は決して褒められた行為ではありませんが、観衆がエキサイトして、不謹慎ながらも「いいもん見たな~」と満足するのは間違いないところです。闘う男達の感情が爆発する瞬間、不謹慎ながらもスタジアムが熱くなるのは避けられません。
一昨年5月24日、東京ドームで行われたジャイアンツ・カープ戦の七回一死一塁でした。一岡竜司の投じたボールが代打・中島宏之の左肩を直撃後、頭部をかすめました。一岡は頭を下げ、謝罪しますが、興奮した中島はマウンドに向かおうとします。両軍がベンチから飛び出し、不穏な空気が漂う中、一岡は危険球退場となりました。
26日の同カードでは、中島の登場時にカープファンから大ブーイングが注がれ、カープの菊池涼介が「中島さんの打席の時にブーイングが起こったのが残念だった。こちらが当てているのに」と試合後にコメントするなど、尾を引く事態に。しかし、昔ながらのプロ野球ファンはついつい、こうつぶやいてしまうのです。
「昔はプロ野球で乱闘なんて、日常茶飯事だったよ」と。
西武・東尾修と近鉄・デービスの因縁、西武・清原和博がロッテ・平沼定晴に食らわしたバット投げからのジャンピング・ニーパッド、さらには熊本の夜、巨人・クロマティが中日・宮下昌己に繰り出した右ストレート…。目を閉じれば浮かんでくる「名勝負」の数々。
なぜ、乱闘は絶滅危惧種になったのでしょうか。ここでは3つの要因を挙げてみたいと思います。