アスリートファースト!?東京五輪マラソン早朝スタートで考える朝ラン

タグ: , , 2019/10/28

カラダにはリズムがあることを知ろう!

まずこれを見て欲しい。これは体温の日内変動をグラフにしたものだ。人間は周囲の環境に左右されず体温を一定に保つことが出来る恒温動物だが、上下1度くらいの幅で変動する。24時間周期で見た時に、朝4時前後から6時前後くらいまでが最も体温が下がっているのがわかる。

体温は人間の意志ではコントロール出来ず、それを動かすのが自律神経という仕組みだ。いわゆる交感神経と副交感神経というやつで、日中の活動時間帯は交感神経が支配し、夕方以降から朝方までの休息時間帯は副交感神経が支配する。人間は睡眠に入る前にジワジワと体温を下げ始め、カラダの中の深部体温が下がることで眠りについていくようになっている。

つまり、体温が下がっている時、カラダはお休みモードで、その最も体温が低い時間帯が東京都が提案したマラソンのスタート時間だと言うこと。元々の6時の方がまだ自律神経的にはマシである。ただ、人間は野生動物と違い、深い睡眠と浅い睡眠を繰り返す生き物。朝に向かって徐々に深い眠りが減り、浅い眠りに移行し目覚める準備をしていくのだが、起きてすぐにカラダが自在に動くかというとそれは難しいのだ。

※グラフはテルモ体温研究所HPより

体内時計の適応には準備が必要

さらにもうひとつ付け加えるなら、血圧も1日で最も低いのが朝4時前後とこのグラフから見て取れる。血圧も同じく自律神経がカラダを休ませる時間帯に下げている。では、3時でも6時でも、そんな時間に世界一を決めるマラソン競技を走るためにはどうすればよいのか?

それは体内時計をズラすしかない。ズラすというか、思いっきり昼夜逆転させるくらいの感覚ではないだろうか?なぜなら、例えば6時スタートだとして、選手は起きてすぐ走るわけではなく、恐らく4時間前には起き、3時間前には食事をして、そのあと少ししてからウォーミングアップに入る。その想定で起床は夜中の2時。

そして、トップアスリートには一般人以上に睡眠が必要なので9時間は寝るとしたら、就寝時間は前日の夕方5時になる。これをスタート時間が3時想定にすると、就寝時間が前日の昼2時、起床が前夜の11時になる。これはまるで夜勤の人と同じ昼夜逆転だということがわかる。

この時間で動けるカラダにするために体内時計を適応させるには、この時間のリズムで実際に生活・練習する以外に方法はないのだ。睡眠研究の視点からはその適応には3週間が必要だと言われている。間違いなく代表選手たちはそれをすることになる。しかし、体内時計を何とか合わせたとして、そこで今までと同じパフォーマンスが出せるか?そこに選手・スタッフは総力をあげることになるのだろう。

※グラフはアステラス製薬HPより

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