「ベイスターズに勝てた。個人的には嬉しい」――原点の地・横須賀に戻った元DeNA戦士 戦力外を経験した寡黙な職人の“現在地”
若手中心のメンバーの中で、35歳となった倉本は経験値などさまざまな貢献をもたらしている(C)萩原孝弘
キャプテン就任時から言い続けてきた言葉が、チームの血肉に
実績、知名度を含め、ハヤテにおける倉本の存在感は抜けている。しかし、同じ泥をすするチームメイトとして、自分の経験をどう還元し、勝利に対するベクトルを同じくするか。その思考が、脳内の大部分を占めている。
倉本がキャプテン就任時から言い続けてきた言葉がある。それは「最後まで諦めずに戦おう、粘り強くいこう」という決意。その教えは今、確実にチームの血肉となりつつある。
「それはちょっとずつ浸透していると思いますね。粘る姿勢は大事ですし、それをみんな体現してくれています」
最近では試合後半に点をもぎ取り、逆転する展開も増えてきた。自らが投手リーダーに指名した池谷蒼大のサポートも力強く、キャプテンの背中を見て、若手たちが土壇場での強さを発揮し始めている。
「勝ちたい気持ちも出てきました。お互いに対するリスペクトをし合っていますし、やらなければいけないものもわかってきていると思います。そこら辺は今までとはちょっと違うかな」
自身の成績も打率.284、得点圏打率.300と持ち前の勝負強さも健在。だがそこには「まあまあって感じですね」とそっけない。
「打撃の結果も大切ですけれども、勝ち負けのほうが気になります。個人的にやるべきことはすごく多いですけれども、楽しんでいますよ」
そう語る彼の表情には、責任という重石を背負いながら、愛する野球への想いと、勝負に対する執着が伝わってくる。
新天地で磨き上げる「キャプテンの矜持」。その静かな闘志が、戦う集団の歴史を作っていく。
[取材・文/萩原孝弘]
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