キューバ選手のMLB移籍新協定 侍ジャパンへの影響とは
侍ジャパンのライバルとして
もっとも今回の合意で、日本にとって直接的に影響をもたらすのは代表チームの底上げではないだろうか。
メジャー公式サイトの有名アナリストであるジョン・モロシ氏もこの点を指摘している。「キューバ代表のチーム事情を変える合意だ。彼らは亡命したキューバ選手を招集できるようになるだろう」と。
長年国際大会で覇権を握ってきたキューバ代表だが、近年は亡命選手のメジャー流出による弱体化が顕著だった。
WBCでも06年第1回大会は日本と決勝を戦い準優勝。その後は09、13、17年の3大会連続で2次ラウンドで敗退している。亡命したメジャー所属選手の招集が禁止されていたからだ。
この合意により、2021年の第5回WBCでは、史上最強のキューバ代表が結成される可能性が高まった。
前述のアブレイユ、グリエルだけでなく、アロルディス・チャプマン(ヤンキース)、ヨエニス・セスペデス(メッツ)、ケンドリーズ・モラレズ(ブルージェイズ)、ホセ・イグレシアス(タイガース)、ヨアン・モンカダ(ホワイトソックス)、ヤシエル・プイグ(レッズ)ら一流プレーヤーの枚挙にいとまがない。
第1回、第2回とWBCを連覇した侍ジャパンだが、ここ2大会は連続で準決勝敗退。第3回大会優勝のドミニカ共和国、第4回大会優勝の米国、第3回大会準優勝のプエルトリコら、代表チームに力を入れ始めた各国の後塵を拝している。
またキューバ代表は過去、1次もしくは2次グループで日本と同じブロックに入れられることが多かった。第5回大会の大会形式は未定だが、序盤から韓国、台湾というアジアの列強に加え、キュラソー島出身者を中心に躍進著しいオランダ、そして最強キューバとそろっては予選リーグから苦しい戦いが続くことになる。
2021年の覇権奪回へ、最大にして最強の障壁として、真のキューバ代表が侍ジャパンに立ちはだかる可能性は十分にある。
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[文/構成:ココカラネクスト編集部]