キューバ選手のMLB移籍新協定 侍ジャパンへの影響とは
メジャーリーグの機構と選手会は19日、キューバ野球連盟と同国の選手の移籍に関する協定締結を発表した。今後はキューバ選手も亡命せずにメジャー挑戦が可能になった。
日本や韓国など海外選手のメジャー移籍に用いられるポスティングシステムと似たものを、キューバ選手にも適用する。期限は2021年10月末まで。
「先代の苦しみを、次世代の選手が味わう必要はない。」
歴史的合意にメジャーリーグ機構や、過去に亡命してメジャーでプレーするキューバ選手からは歓迎の声が上がった。ホワイトソックスのホセ・アブレイユはメジャー公式サイトに声明を寄せた。「この喜びと興奮は十分に言葉にすることができないほど。先代の苦しみを、次世代の選手が味わう必要はない。不可能だった夢が現実となる」と歓喜の思いをつづった。
日本メディアの受け止め方は、現在NPBでプレーするキューバ選手たちの流出危機をあおるものが多かった。キューバと国交断絶していた米国のメジャーリーグと違い、NPBにはキューバ選手が合法的に移籍できるシステムが2014年に解禁されていた。移籍1号の英雄フレデリク・セペダ(元巨人)をはじめ、ユリエスキ・グリエル(元DeNA)ら大物が次々と海を渡ってきた。現在もソフトバンクのデスパイネ、グラシアル、モイネロらがプレー。より好条件を提示できるメジャー球団に、彼らがかっさらわれてしまうという趣旨だ。
また同様に、現在キューバ国内でプレーする有望選手の獲得も難航するだろうと予想されている。キューバ選手にとって、メジャー球団よりNPB球団に魅力を感じる要素は少ない。年俸などの条件面では太刀打ちできず、生活していく上での文化面でも米国の方がなじみやすいだろう。