ワールドシリーズ第7戦で初めて先発した日本人投手とは?
見抜かれていたダルビッシュの「癖」
ワールドシリーズの第7戦に日本人投手が先発するのは初めてだった。ドジャースタジアムを5万4124人が埋め、大歓声を背にアストロズ打線と対した。だが初回に2点を失い、続く2回もスプリンガーに2ランされるなど計3失点。2回持たず、メジャー自己ワーストの1回2/3でKOされた。大歓声は、大ブーイングに変わっていた。
3回から3番手で投げた左腕エースのカーショーは4回を2安打無失点とピシャリ。ダルビッシュが壊しかけた試合を、かろうじて希望をつないだだけに、左右両輪の姿は対照的に映った。
ダルビッシュは第3戦でも同じく1回2/3を4失点でKOされており、このシリーズ2敗。世界一請負人としての期待を背負い、7月末にレンジャーズからトレードで加入したが、最後に大きく裏切る形となってしまった。シーズン終了後にFAになることが決まっており、ドジャースでの最後のマウンドは最悪の結果となった。
のちにアストロズ打線は、ダルビッシュの癖を見抜き、投球直前に球種を見抜いていたことが報じられている。スポーツ・イラストレーテッド誌によれば、グラブの中でボールを握り直すかどうかで、直球かスライダーなのか、高確率で特定できていたという。
来季期待される物語の続き
ロサンゼルスの惨劇の傷跡はまだ癒えていない。今年の6月15日。カブスの投手として、あの第7戦以来2年ぶりにドジャースタジアムのマウンドに立った。試合開始直前に名前がアナウンスされた時と、3回の第1打席。2度も執拗な大ブーイングを浴びせられた。ロサンゼルスのファンも、当時の悪夢はまだ忘れることができていない。
この試合、ダルビッシュは7回2安打1失点、10三振とほぼ完璧な投球を演じ、敵地のファンを黙らせた。
今シーズンはカブスが地区3位に終わり、プレーオフに進めず。ドジャースは地区シリーズで敗退した。両チームとも戦前の下馬評は高かったが、不本意な結果に終わった。だが、来季の巻き返しは必至だろう。ナ・リーグ優勝決定シリーズでの対戦が、最も予想されるであろう両軍の顔合わせ。ポストシーズンで実現した時、あの惨劇の続きのストーリーが紡がれることになる。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]