【DeNA】守護神への想いと、亡き母との約束…プロ11年目の山﨑康晃が抱く“葛藤”「人間なので、いろいろな気持ちはありますよ」

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「とにかくダサいことだけはしないように」

 黎明期から強い絆で結ばれていた横浜のブルペン陣。三上を筆頭に、田中健二朗と須田幸太の意思を引き継ぎ、後に先発から転向した三嶋一輝や石田健大らとともに強固なものとして築き上げてきた。だからこそ「その経験がいまのブルペンに活きているって、間違いなく言えることです」と山﨑も断言する。

「苦しい中で『なんとかヤスに繋ごう』って言ってくださった先輩たちは、どんな気持ちでやっていたのかって、毎日のように考えてます。『いまのお前はこういう位置にいるんだから、こういうことをやるべきじゃないのか』って考えて。自分に強く言い聞かせていますね」

 尊敬する先輩たちの姿をイメージし、メンタルを整えている山﨑は、「(入江)大生もいまアンカーとして頑張ってくれていますし、彼の成長は本当に楽しみです。ブルペンの一員として、彼の背中を全力で押して応援しています」と後輩のサポートを欠かさない。これも横浜伝統のブルペンの姿を体現している象徴的な出来事と言えよう。

「みんなをまとめて、500試合以上投げて、メンタルもお化け。凄いですよ」(伊勢大夢)

 そう同僚も舌を巻く山﨑の振る舞い。「とにかくダサいことだけはしないように、自分の心に約束してます」と語る本人に闘志がないわけではない。

 無論、立場は決して安泰と言えるものではない。昨季は38登板で、防御率3.35、セーブもわずか「4」にとどまり、二軍落ちも味わった。節目の10年目で「泥水すすって本当に悔しい思いをした」と語る経験をしたからこそ、「誰が見ても変わったとわかるようなボールを、一番でブルペンに入って見せてやろうと思って。心を鬼にしてトレーニングしました」と並々ならぬ決意は固まった。

「後輩たちには一年間頑張ってもらいたいですし、素晴らしい景色を見させてあげたい思いはありますけど、まずは僕が先頭切ってやらないといけないと思う」

 その結果、小杉陽太ピッチングコーチも「去年より数値はいいですよ。コマンドもめちゃくちゃいいですし、ストレートのホップ成分もすごく高いです。まだまだ老け込む歳でもないですしね」と復活に太鼓判を押すまでに技術は向上した。

 山﨑自身も「身体が厳しくなってきたら白旗振ってお手上げなんでしょうけど、そうではないので」と自信を漲らせ、「気持ちがちゃんと付いてくればいいパフォーマンスをお見せできますよ」と言い切る。

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