【DeNA】守護神への想いと、亡き母との約束…プロ11年目の山﨑康晃が抱く“葛藤”「人間なので、いろいろな気持ちはありますよ」

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技術力にも変化を生んだ“いい意味でのリラックス”

 明らかにここ数年とは変わった姿がそこにある。その背景には、「いままで一生懸命やり過ぎていた部分があった」というベテランなりの心情の変化も影響していた。

「抑えたい気持ちが裏目に出て、テキサスヒットとか野手の頭を抜けたりとかしたときにね……。ピッチングのなかで、ちょっとは余裕を持つほうがいいのかもしれませんね」

 いい意味でのリラックスは、投球術にも変化を生んでいる。力の真っ向勝負ばかりではなくチェンジアップも多投するようになった。

「東(克樹)のチェンジアップを見て、こういう軌道で入っていけばいいんだって思いまして。彼とはアームアングルも違うので、ボールの動き方はぜんぜん違うんですけど、自分のフォームに当てはめてみたらゲームレベルに達していますし、奥行きが使えているのでツーシームも真っ直ぐも活きてきていますよね。後輩に良いヒントを貰いました」

 そうニヤリと笑う山﨑は「いまの野球はツーサイドピッチで抑えられるほど甘くない」と11年目のモデルチェンジに手応えを得ている。

 ここから先、目指すはもちろん“あの場所”だ。

「1球だけで見たら、大生やウィックのほうがとんでもないボールを投げますよ。でも、“ピッチング”となると別です。ヤスアキジャンプを見ていると、まだまだ僕も捨てたもんじゃないなと思いますし、歓声はしっかりと届いている。球場のエネルギーは僕の力以上のものを出せせてもらっていると、はっきりと自分の口で言えますから。いつでも“レディー”です。見えないところで歯を食いしばって準備しています」

 積み重ねたセーブ数は232。背番号19は「僕は母さんと約束したんで。そこは絶対ユニフォームを脱ぐまでに達成したい思いはあります」と女手一つで育ててくれた、亡きベルさんのためにも250セーブは成し遂げたいと誓う。

 不屈の精神力を武器に、己の仕事を全うする山﨑。彼がひたすらに目指すのは9回のマウンドで咆哮する姿だ。

[取材・文/萩原孝弘]

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