燕・奥川 史上最年少完封の裏にある「エース育成計画」とは
圧巻の投球だ。CSファイナルステージ、巨人と行われた第1戦(神宮)に先発したヤクルトの奥川恭伸投手(20)はわずか98球、6安打と巨人打線を封じ込め、プロ初の初完投、初完封勝利を飾った。20歳6か月での完封劇はCSプレーオフ史上最年少の快挙となった。右のエースへの道を確実に歩んでいるが、その裏には高津監督による緻密な計算があった。
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試合時間の短さが圧巻の投球内容を物語っていた。わずか2時間38分。9回を投げて、98球と100球に満たず。直球の速さこそ150キロには届かなかったが、持ち球のスライダー、フォークを交え、巨人打線に的を絞らせず、無四球と安定した投球。ヒーローインタビューでは先に受けた塩見が「すごい!本当にすごいとしかいえない」と若干20歳の若武者の完封劇をたたえる横で穏やかな笑みを浮かべた。
「初戦で投げると聞いたのはすごく前だったので、そのときから緊張していた。勝利の瞬間、ホッとしました」と安どの表情を見せた。
一方、大舞台の初戦を任せた高津監督も「勝っても負けても彼の試合だと思っていた。いい言葉が見つからないくらい、1年で大きく変わった」とその成長ぶりをたたえた。プロ2年目を迎えた今季はシーズン序盤は中10日を続けながら、慎重に育成を見守った。その中でも将来のエースと期待する奥川には長期的視点から「英才教育」を施してきたという。
「右の奥川、左の高橋、この2人には将来的に投手陣の柱になってもらいたいと高津監督も構想を練ってきたとか。優勝がかかった大一番にも起用して、経験を積ませる、また結果を出せなくても決して責めないという姿勢も一貫していた。高津監督の下だからこそ、のびのびと野球に取り組め、才能を開花できたという声が多いです」(放送関係者)