ロッテ・鳥越コーチが選手の指導で大事にしている事とは?

タグ: , 2019/6/28

 「自分は子供がいないけど親の愛は分かる。子供は宝物。子供のためなら親は何でもできるというよね。そんな子供たちを預かる立場として、軽い気持ちでやってはいけない。こっちも全身全霊で親のように接しないといけない。若い人たちの人生を預かっている。生半可な気持ちでは駄目。自分の子供のように愛情たっぷりに、こっちも人生をぶつける」

 だからこそ時には厳しく、時には優しく選手に接する。それはまさに父親のような存在。
厳しく叱るのも、その選手の人生を想っての事だ。「オレは感情的に一時の感情で怒ることはしない。これは言わないといけないと思った時に、その選手の事を想って、気持ちを込めて怒る」。怒る事。それは褒めて伸ばす事が奨励されている今の時代において、敬遠されがちである。本気で怒るのはエネルギーを要する。褒める方が、はるかに簡単なアプローチだ。楽な方を選びがちな現代の指導風潮の中にあって、選手が魅力ある人間となり、活躍して欲しいと心から願うからこそ、あえて厳しい言葉を並べる。

 「厳しくするからには、その分、自分もしっかりとしないといけない。練習前、練習中からしっかりと見ていてあげないといけない。見ていないで指摘は出来ないからね。選手は見てくれているかどうかは分かっているもの。見ていないヤツに言われたくないとなるよね。説得力がない」

 ほとばしる情熱。ゆえに周囲は敬意をこめて「鬼軍曹」と呼ぶ。ホークスコーチ時代からブレない方針。全力で選手とぶつかっていく。だから本気で怒られ、人間力を伸ばし成長してきた選手たちは父親のように慕う。人間としての成長なくして、選手としての成長なし。選手として13年、コーチ13年目。今も「人間力」を磨き、教えている。

[文:千葉ロッテマリーンズ・広報 梶原紀章]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

梶原 紀章(かじわら・のりあき)

千葉ロッテマリーンズ広報メディア室 室長。1976年8月18日生まれ。大阪府出身。関西大学卒。99年に産経新聞社大阪本社に入社しサンケイスポーツ運動部でオリックス(99~00)、阪神を担当(01~04)。04年限りで同社を退社し05年2月より千葉ロッテマリーンズ広報に就任。11年の営業職を経て12年6月より広報部門の統括責任者として千葉ロッテマリーンズの情報発信を担っている。千葉日報、朝日新聞千葉版、文藝春秋社文春コラムなど連載コラムは多数。

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