ドラフト10位から本塁打キング オリックス杉本裕太郎の凄さをなぜ誰も見抜けなかったのか
パ・リーグの昨季ホームランキングは、ドラフト10位からの下克上-。
ジャパニーズドリームを現実にしたのは、「ラオウ」の愛称で知られるオリックスの杉本裕太郎外野手です。
30歳を迎えた今シーズン、134試合に出場し、32本塁打を放ち本塁打王のタイトルを獲得。打率3割1厘、83打点の活躍で、チーム25年ぶり優勝の立役者になりました。
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セパ下克上Vを象徴する「ドラフト最下位指名の逆襲」と「ブービー男の覚醒」 https://cocokara-next.com/athlete_celeb/awakened-player/
ちなみに「ラオウ」の由来は、2016年1月の入寮時に、漫画「北斗の拳」の敵役・ラオウの名セリフ「我が生涯に一片の悔いなし」を座右の銘に挙げたことに由来します。
ここで一つ疑問が浮かびます。
徳島商、青学大、JR西日本とアマ球界のエリートコースを歩んだ強打者なのに、2015年のドラフト会議では10位指名。支配下で指名された全88人中、87番目の「ブービー賞」だったのです。
ここまでの強打者がなぜそこまで「売れ残った」のでしょうか。
スポーツ新聞のアマチュア野球担当記者は言います。
「スカウトが大卒の社会人選手を獲得する際、一番求められるのは『すぐ1軍で使える選手か』ということです。高校生ならばある程度の育成期間を与えてもらえますが、20代の中盤を迎えた選手を長い目で育てる余裕は、今のプロ球団にはまずありません」