食生活の不節制による不妊症について
女性不妊
女性の場合は、前述した「陰性」の飲食物を摂り過ぎの場合が圧倒的に多いです。まずは、思い当たる「陰性」の飲食物を控えることが大事です。
また、元々の体質的に「陰性」が強い場合もあります。この場合は「陽性」の食べ物を少し多めに摂るようにするのですが、簡単なのは毎日味噌汁を作って飲むことです。ここで使う味噌は、自然食品のお店で売っている有機大豆と天然塩で作っている味噌で、ダシは別にちゃんととります。このダシも自然食品のお店に売っています。ただ体質改善には時間を要しますので、あまり焦らないことです。
東洋医学的に治療を考える場合は、男性同様に「腎」の異常、「気血」の不足、そして「衝脈・任脈」の乱れなどがあります。
「衝脈・任脈」とは体に張り巡らされている経絡というものの一つで、生理や妊娠に大きく関わるとされているものです。
不育・不妊と鍼灸治療
鍼灸治療では、体の不具合や体質を判断して治療にあたってゆきます。多くの場合、冷えを伴うことが多いので(これは必ずではありません。人によっては逆に熱くなり過ぎている場合もありますので、やみくもに温めすぎるのはお勧めできません。)、下腹部や腰部を温める治療を併せて行って行きます。また、現在の体の状況から東洋医学的にバランスが取れていない臓腑を見極めて、鍼灸を使って治療にあたってゆきます。多いのは「腎」「肝」、そして女性の場合は「衝脈・任脈」を主体に鍼灸治療をおこなって行きます。
不育や不妊は薬物を使わない鍼灸治療がおススメです。薬物が絶対にいけないとは思いませんが、少ないのに越したことは無いので、上手に鍼灸治療を活用して欲しいです。
東洋医学用語説明
1)臓腑:東洋医学では、身体機能を発現させるための重要な要素を五臓六腑に集約して考えており、五臓とは「肝」「心」「脾」「肺」「腎」のことで、六腑とは「胆」「小腸」「胃」「大腸」「膀胱」「三焦」のこと。現代医学的な内臓とは東洋医学では少し解釈が異なる。また「臓腑」と省略して表現することもある。
2)肝:現代医学的な肝臓とは少し違い、東洋医学では心身共に適度な緊張感で機能するように調節する作用、全身各部へ必要な血液量を分配する機能、胆汁を作る機能を持つ主要臓腑とされる。
3)腎:現代医学的な腎臓とは少し違い、東洋医学では全身における水の調節機能、成長・生殖に関する機能を持つ主要臓腑とされる。
4)任脈:経絡の一つで身体前面の正中線上を走行する経絡である。「任」は「妊」に通じるとされ、特に女性には重要な経絡の一つとされる。
5)衝脈:経絡の一つで身体の前面、および体内を走行する経絡である。衝脈は血海とも呼ばれ、女性にとっては特に重要な経絡の一つとされる。
[文:蓬松(ほうしょう)鍼灸治療院]
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