高齢者自身の体験をフレイル予防に生かす
枝葉の合間を覗いて野菜を探す屈伸運動や、収穫に際しての手作業も交えた全身運動。農作業にまつわるむかしの思い出話や収穫物を使った料理についての会話。収穫の最後には「秋になったらじゃがいも掘りだよ!じゃがバターにしようか?やっぱりカレーを食べようね!!」と声を掛け合っていました。今回収穫した夏野菜を使ったメニューを考えるそうです。冷やしたきゅうりにちょっと信州みそを付けた「もろきゅう」は、歯ごたえもあって咀嚼運動に最適ですね。どうしても食べるのに不自由ならば、少し刻みを入れたりして・・・。オーラルフレイル予防に最適と思いました。
作業の合間に一口サイズのプチトマトをほお張って、「おいしいね」と微笑み合う光景は、戦中戦後に苦労してきた分を取り戻しているのかも知れません。残念ながら参加できなかった方々に今日の収穫をお披露目するかのように、ラウンジの上座のテーブルには採った野菜がたくさん入ったかごが置かれていました。戦中戦後の食料不足による農作業で味わった気持ちとは似ても似つかない、こころに平和・安心をもたらしているかの様でした。
見学させて頂いた施設名の「あんしん館」そのものでしたね。
訪問のあと、かぐや姫の曲の一節にピッタリの光景だったなぁと思いました。
「こんな楽しい、夢のような、こんな素敵なところは・・・。」
私の住む街の近くはブルーベリー栽培発祥の地です。その近くの練馬区にもブルーベリー農家が30あるとのこと。ブルーベリーは手の届き易いところに実を付けるので、背の低い高齢者でも簡単に摘むことができます。収穫リハビリに活用できたらいいですね。
厚生労働省は「有償ボランティア」と称して、施設で行った作業に対価を付けるシステムを推進しています。謝礼は全て施設利用者に還元されるという。(参考;2019年7月1日読売新聞 安心の設計)
確かにお金に換えられることに喜びを感じる方もいらっしゃるでしょう。認知症の度合いによって、自分が満足する要因は異なると思います。
先ずは一瞬一瞬において、人に感謝してもらうことで満足につながる。
認知症の度合いにも因りますが、まだまだ自分は人の役に立てると実感できれば、喜びにも繋がっていくと思うのです。
辛かった体験を、これからの人生でわくわく感が味わえる「強み」に変えて欲しいのです。
車いすでも菜園に入れる。スタッフの思いやり。
隠れたプチトマトが沢山。屈伸運動でせっせと収穫。
今年も豊作。育ち過ぎたジャンボきゅうりを発見!
おばちゃん1人による
わずか数分の収穫量です。
[文:健康わくわくサイト 人生100年時代に役立つトレヴィアをお届けします]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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むかしの記憶を蘇らせながら運動する「デュアルタスク・トレーニング」という認知症予防法 https://cocokara-next.com/fitness/dual-task-training/
株式会社SOily 代表取締役 岡本 頼幸
幼少時代から生命の不思議に取り付かれてきました。
生体の分化発生の不思議を研究 ~ 免疫検査を通しての患者様への想い ~ 医療・健康機器のユーザー様から頂いた奉仕の心・・・。
これらのことから医療・健康の大切さを、長年にわたって実感して参りました。
今、予防医療というポピュレーションストラテジーが重要になっています。
更に「競技スポーツ」に「健康スポーツ」という親しみ易い概念も取り入れようとしています。
みなさまが人生の目的を達成するために大切な、「健康」についてのトレヴィアをお届けしたいと思っています。
みなさまの目となり耳となりそして足となって得た豆知識を、私の経験を交えてできるだけ分かり易くお伝えできれば幸いです。