それただの夏バテではないかも!?疲れが取れないときは肝臓の機能低下に気をつけよう
「睡眠は十分しているのに、なぜか疲れがとれない」「いくら寝てもからだがだるい」といった状態には要注意です。
この時期でしたら、つい「夏バテ」かと放置しがちですが、もしかしたら、肝臓の機能が低下している可能性があるかもしれません。今回の記事では、肝臓の疲れをとる方法をご紹介します。なかなか疲れがとれないという方や疲れやすい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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1.疲れがとれないのは「肝臓の機能低下」かも?
いくら寝ても疲れがとれない、というときは、肝臓の機能が低下しているのかもしれません。
1‐1.肝臓の役割
肝臓には、以下のような役割があります。
・体内にとり入れた栄養を吸収する
・有害物質を解毒し、分解する
・胆汁を合成、分泌する
私たちが食べた物は、胃や腸で分解しやすい形に変えられたあと、肝臓に送られます。その後、動脈を通って体内の必要な場所へ栄養が届けられます。
また、必要のなくなった老廃物は、静脈を通って排泄されるほか、肝臓で再利用されることもあります。このような形で、肝臓は体内で重要な役割を果たしているのです。
1‐2.疲労と肝臓の関係性
肝臓の機能が低下すると、栄養素をうまく吸収できなくなったり、有害物質の解毒ができなくなったりするなど、悪影響を及ぼします。肝臓の不調はからだの不調に直結するため、結果として疲れがとれにくくなるのです。
1‐3.肝臓の機能低下に見られる症状
肝臓の機能が低下した際は、下記のような症状がよく見られるようになります。
・糖代謝異常
食事でとった炭水化物は、体内の酵素により分解・消化されて最終的にはグルコース(ブドウ糖)になります。肝臓は、グルコースを集めて作られるグリコーゲンを貯蔵したり、グルコースを供給したりする役割があります。そのため、肝臓の機能が低下すると糖の代謝に異常をきたし、低血糖になることもあります。
・タンパク質代謝異常
肝臓でタンパク質を分解する際に、アンモニアが生じます。アンモニアを解毒するのも肝臓の役目ですが、肝臓の機能低下によりタンパク質の代謝に異常をきたすことがあります。
・脂質代謝異常
脂質の代謝に異常をきたすことで脂肪が吸収されず、白色の便が出ることがあります。
2.肝臓の働きをよくして疲れをとる方法
以上のような理由から、肝臓の機能を高めることは疲労の解消につながることがわかります。
以下では、肝臓の働きをよくし、疲れをとる方法について紹介します。
2-1 タンパク質やビタミン、ミネラルを摂取する
良質なタンパク質やビタミン、ミネラルなどを積極的に摂取すると、肝臓の働きがよくなります。肉類や魚介類、大豆に卵のほか、野菜や海藻、きのこなどを摂るようにしましょう。
2-2 休肝日を作る
お酒の飲み過ぎは肝臓の不調に直結します。週に1〜2日、お酒を飲まない「休肝日」を作るようにしましょう。
2-3 こまめな運動を習慣づける
ウォーキングやランニングなどの有酸素運動をするのも有効です。肝臓に余計な脂肪が蓄積することで起こる「脂肪肝」は、1日30分の有酸素運動を行うと改善につなげられます。