千葉ロッテ・現役コーチから学ぶ「ジュニアのための野球トレーニング」その3
野球に限らず何事も上達する為には、その事に興味を持ち、のめり込むくらい好きになる事が上達への1番の秘訣ではないでしょうか?
ジュニア指導者の方の中にも『勝つこと』を優先するあまり、お子さんの身体の負担を考えずに試合で使い続けたり、自分の思った試合展開にならないと選手のミスに怒鳴りつけたりしてないでしょうか?
(c)千葉ロッテマリーンズ
勝つことは競争の中ではとても重要なことです。誰も勝負に負けたいと思ってプレーしている子はいないと思いますし、ミスをしたくてミスをする子供はいないと思います。
一生懸命やったプレーに対して恐怖で選手を指導すると好きだった野球が嫌いになったり、怒られない為に野球をする様になってしまっては野球の技術が向上しません。
『好きこそ物の上手なれ』という、ことわざもありますが、お子さん達には本当に野球が好きになって練習してもらいたいのが私の思いです。
さて、今回は先週行ったパワーポジションはどの様な野球動作の時に使われているか、選手の写真で見てみましょう。
投球、打撃動作もパワーポジションと言われている位置は、『タメを作るポジション』です。すなわち、力を溜めて一気に力を出す寸前という位置です。
このポジションがしっかりできないと、投手ならばボールを指から離す瞬間や打者ならバットでボールを打つ瞬間に下半身の爆発的な力は発揮できません。
今回は野球の動きに近づけたトレーニング方法をご紹介したいと思います。
【レッスン1】サイドホップ
①スティック(棒)を写真のように持ち、片足でパワーポジションを作ります。
②そのまま力を逃さないように横にステップします。
10回2セット
(c)千葉ロッテマリーンズ
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【レッスン2】スライドステップ
①投手のタメのポジションをキープします。
②そのまま一気に低い位置で横にジャンプします
10回2セット
(c)千葉ロッテマリーンズ
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【レッスン3】シザージャンプ
① 足を開いてランジ姿勢になる
② おもいっきり地面を蹴って足を入れ替える
③着地は関節に力を吸収させる様にする
※この時に重心は後ろに行かない
10回2セット
(c)千葉ロッテマリーンズ
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【レッスン4】壁押し
①壁の側に横向きで立ち、壁を手で押す
②パワーポジションでしっかり前に押す
※手で押すのではなく、下半身で押すイメージで行う
3秒押し10回2セット
【レッスン5】片足ホッピング
①投球動作のタメのポジションで静止する
②パワーポジションをしっかり作り、一歩づつ力強くパワーポジションを崩さないようにホップする
10歩2セット
(c)千葉ロッテマリーンズ
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※頭、肩、腰、膝のラインを崩さないようにステップする。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
楠 貴彦(くすのき・たかひこ)
千葉ロッテマリーンズ コンディショニングディレクター兼育成統括
1977年6月12日生まれ、大阪市住之江区出身。大阪学院大高〜アラバマ大学。2006年よりトレーニングスタッフとして千葉ロッテマリーンズに入団。一軍トレーニングコーチを経て、現在はメディカル、トレーニング、育成部門を統括する職に従事する。