筋肉量が老後を左右する⁉サルコペニア対策で若々しいからだへ
3.サルコぺニア対策に漢方薬という選択肢
サルコペニアは筋力の低下や筋肉量の減少に加えて、栄養不足や活動量の低下も原因と考えられています。適切な食事や運動に加えて、漢方薬の活用も有効な手段のひとつです。
サルコペニア対策には、以下のような働きをもつ漢方薬が用いられます。
・血行をよくして全身の筋肉に栄養を届け、筋肉の機能を回復させる
・ホルモンバランスを整え、年齢による筋肉機能の衰えを整える
・加齢による足腰の衰えを補う
・消化・吸収機能を高めて栄養を全身に届け、心とからだを元気にする
漢方薬は根本的な体質改善にアプローチするため、日常生活の対策と適切な漢方薬を併用することで、健康的な筋肉量と筋力維持、増進に役立つでしょう。
<サルコペニア対策におすすめの漢方薬>
人参養栄湯(にんじんようえいとう)
体力低下や食欲不振があるときに元気を取り戻すのを助けてくれます。手足の冷えや貧血などの症状がある方におすすめです。
六君子湯(りっくんしとう)
体力がなく、胃腸が弱い人に向いています。全身倦怠感、食欲不振、胃もたれ、下痢や胸焼けなどの症状に用いられます。また、既存研究で、六君子湯の主成分であるグレリンが成長ホルモンの分泌を促し、筋肉量の増加にも関係しているという報告があることから、サルコペニアの軽減にも寄与することが期待されます。(※3)
漢方薬が自分の今の状態に合っていない場合は、効果がないだけでなく、副作用が生じる場合もあります。初めて服用する場合は漢方に精通した医師、薬剤師へのご相談をおすすめします。
不調を手軽に改善したい方におすすめなのが、「あんしん漢方」のようなAI(人工知能)を活用した新しい漢方相談サービスです。「オンライン個別相談」を利用すれば、漢方に詳しい薬剤師にスマホで気軽に相談ができ、体質に合った漢方をお手頃価格で自宅まで郵送してもらえます。
4.筋肉アップで、いつまでも元気に!
サルコペニアは、中高年にとって大きな問題ですが、普段の生活習慣を見直すことで予防や改善を目指せます。自身の体力低下をただの老化だと決めつけず、サルコペニア対策を実践し、健康で活力ある日々を送りましょう。
参考サイト
(※1)順天堂大学大学院医学研究科スポートロジーセンター 「Sportology to Prevent Locomotive Syndrome」Juntendo Medical Journal」Muneaki Ishijim., et al.2016. 62 (Suppl 1), 44-49
(※2)健康長寿ネット「高齢者に適したウォーキングとは」
(※3)日本老年医学会雑誌「加齢性サルコペニアのメカニズムとグレリンによる治療介入の可能性」2009 年 46 巻 4 号 p. 330-331
[文:あんしん漢方]
【関連記事】筋トレで「10回3セット」は本当に最適?筋トレ博士が徹底解説します!
【関連記事】あなたの肺は大丈夫?3つ以上当てはまる人は危険!肺の機能低下を知るためのチェックリスト
<この記事を書いた人>あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。