医者が考える「痛い」病気ワースト5
■第2位 膵炎
膵臓が炎症を起こす「膵炎」は、強い痛みがあり、致死率が15~30%と高い病気。
原因はお酒にあることが多いとされています。膵臓は消化酵素を出す臓器で、タンパク質や脂肪を溶かします。この膵臓が炎症を起こすということは、わかりやすく言うと臓器を溶かしてしまう。体の中で火事が起きるようなイメージです。
みぞおちあたり、その反対側の背中が痛い時は、急性膵炎という病気を考えて救急車を呼びましょう。致死率が高い病気のため、救急車を呼ぶか呼ばないかで死亡率が変わってきます。
■第1位 尿管結石
腎臓でできた石が尿管で詰まってしまい、どんどん水圧があがって痛みが増していく病気です。ベッド上で悶えるように痛がる人、腰の右あたりを押さえるように病院に来る人が多いです。朝方は脱水になって尿管結石になりやすいため、朝方に痛みがあって病院する方は尿管結石を疑い治療します。尿管結石の場合は、薬を使うとすぐに痛みはとれます。
昔は40代ぐらいからの病気とされていましたが、最近では30代も増えています。
その理由は欧米食に変わった影響だと言われています。夏場はビールを飲むと尿管結石になりやすいため、お酒の摂取に気を付けること。そして、しっかり水分をとる、しっかり運動をすることで予防もできます。
最後に、工藤先生は「しっかり知りたい方はインターネットで予防法や痛みの特徴を調べてみてください。そうすることで、予防もでき、痛みを避けることができます。」と話しています。
どこにどんな痛みが出ると、どういった病気の可能性があるのか…。自己診断はよくありませんが、病気について知ること、体と向き合うことはとても大切です。意識を向けてみてはいかがでしょうか。
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[文/構成:ココカラネクスト編集部]
工藤 孝文(くどう・たかふみ)
福岡大学医学部卒業後、アイルランドとオーストラリアへ留学。
現在は福岡県みやま市の工藤内科にて、地域医療を担っている。
糖尿病、東洋医学・漢方治療、ダイエット治療を専門とし、NHK「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などメディア出演多数。
日本内科学会・日本東洋医学会、日本肥満学会・日本糖尿病学会・日本高血圧学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・小児慢性疾病指定医。