毎日コツコツ「節塩」が大事!高血圧予防に大切な節塩の考え方とは?
薄味は「慣れ」がポイント
若いころからの節塩の大切さ、伝わりましたか?毎日の食塩の量を減らしていくためにも、日ごろから薄味を心がけることが大切です。
薄味の食事を物足りなく思う方もいるかもしれませんが、薄味は「慣れ」がポイントです。徐々に食塩を減らしていくと、薄味でも満足できることが知られています。
オーストラリアで行われた研究で、パンに含まれる食塩を段階的に減らし、どの程度減らすまで気づかないかを調べたものがあります。(※4)この研究では6週間にわたり、同じ食パンを食べ続けるグループと、徐々に食塩が減らされていく食パンを食べるグループに分けて、食パンへの塩味の評価を比較しています。
その結果、4分の1食塩を減らす程度ではほとんど気づかれず、パンの風味や好みの評価を影響しなかった結果になりました。
「濃い味が好き」と思い込んでいる方でも、少しずつ食塩を減らせば慣れていけるかもしれません。料理に使うしょうゆや塩をちょっとだけ控えてみる、外食やお惣菜で減塩メニューを手に取ってみる、などできるところからはじめてみませんか?
排塩も意識しよう
節塩・減塩と同時に、排塩も意識しましょう。排塩とは、字の通り食塩の排出を促すことを指します。ポイントは、食塩の排出を助けるカリウムと食物繊維の摂取です。
カリウムは体内で浸透圧の調整に関わり、ナトリウムが過剰な場合に排出して調整してくれる働きがあります。また食物繊維は、ナトリウムを吸着して体外への排出を助けます。
カリウムと食物繊維は、野菜、果物、海藻類、きのこ類などに含まれます。これらを取り入れた食生活は、高血圧だけでなく糖尿病や脂質異常症などほかの生活習慣病対策としても有効です。ぜひ意識して取り入れましょう。
節塩はさまざまな年代で取り組みたい課題です。家族や周囲に減塩が必要な方がいる場合、一緒に減塩に取り組むのも良いですね。薄味に慣れるほか、食塩の多い食べ物を減らしたり、排塩を助けるカリウムや食物繊維を摂取したりするなど、できることからはじめてみましょう。
【参考・参照】
(※1)厚生労働省 令和元年国民健康・栄養調査結果の概要(最終閲覧日:2022/05/30)
(※2)厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)
(※3)Intersalt Cooperative Research Group,“Intersalt: an international study of electrolyte excretion and blood pressure. Results for 24 hour urinary sodium and potassium excretion. Intersalt Cooperative Research Group”,BMJ. 1988 Jul 30;297(6644):319-28.
(※4)S Girgis, B Neal, J Prescott, J Prendergast, S Dumbrell, C Turner, M Woodward,“A one-quarter reduction in the salt content of bread can be made without detection”,Eur J Clin Nutr. 2003 Apr;57(4):616-20.
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[文:あすけん 管理栄養士 公開日:2022年6月23日]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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