老化は病気
人間は病気で死ぬもの?
なぜ、老衰が死因の第3位だと驚いてしまうのか?それは、どこかでやはり人間が死ぬ時は病気で死ぬという思い込みが強くあるように思う。あとは精々、事故に遭うとか、そんなことが死ぬ時のパターンとしてデフォルト設定されている人が多いのではないだろうか?
現に、日本では相変わらず第1位のがんは増え続けていて、死因全体の27%超はがんであり、およそ3.6人に1人ががんで死んでいるらしい。心疾患も同様に増え続けており、いずれ心疾患ががんを抜くという予測もある。海外ではがんはすでに減少傾向の国もある。
その中で一際異彩を放つこの老衰、その定義はどんなだろうと思ったらちゃんとこういう指標がある。厚生労働省には、死亡診断書記入マニュアルというものがあり、その2019年版ではこうあるそう。「死因としての『老衰』は、高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死の場合のみ用いる』
正直なところ、直接的な死因として引き金となる病態は何かしらある場合が多いのだと思う。しかし、その背景に老衰があっての場合もあるようで、その場合に死亡診断書に何と書くかは医師の判断に委ねられているという。医師は、基本的に老衰というのは科学的ではないと考える向きがあるらしい。