また忘れてた…ものわすれが増えたと感じたら試したい「3つの防衛策」
「最近、人の名前がなかなか思い出せない」
「何を買うためにお店に入ったのか、忘れてしまうことがある」
更年期に入り、このような「ものわすれ」が多くなったと感じることはありませんか?
【関連記事】こむら返りは「体からの危険信号」?深刻な病気が隠れている可能性も
このような不調があると、友達との会話がスムーズにできなかったり、何度も買い物に行かなければならなくなったりして、つらいですよね。
それはもしかしたら、女性であったら更年期による不調のひとつかもしれません。更年期になると、女性ホルモン(エストロゲン)の減少や疲労・ストレスの蓄積によって、のぼせやほてりなどのからだの不調だけでなく、ものわすれや記憶力の低下、憂うつなどの精神的な不調も一時的にあらわれやすくなるのです。
そこで今回は、更年期のものわすれに効果的な対処法をご紹介します。
1.ものわすれの原因は更年期かも
ものわすれは、加齢に伴い誰にでもみられるものです。しかし、とくに更年期では、次のような原因から、一時的にものわすれが悪化しやすくなるといわれています。
1‐1.更年期にものわすれがひどくなる理由
更年期にものわすれがひどくなる原因には、次のようなものが考えられています。
(1) 女性ホルモンの減少やゆらぎ
女性ホルモンには、脳内の「海馬(かいば)」という記憶を司る器官を活性化させる働きがあるといわれています。
そのため、更年期になり女性ホルモンが減少したり、ゆらいだりすると、ものわすれや記憶力低下を引き起こしやすくなると考えられています。
(2) 疲労やストレス
更年期にあたる40代半ば〜50代半ばの女性は、子育てや親の介護に追われたり、職場で責任のある立場を任されたりすることで、疲労やストレスがたまりやすい状態にあります。
このような過度の疲労やストレスは、ものわすれや記憶力の低下につながるといわれているのです。
1‐2.ものわすれは気分の不調と連動しやすい
更年期では、女性ホルモンの減少やゆらぎ、疲労やストレスなどによって、ほてりなどの「からだの不調」だけでなく、うつなどの「気分の不調」も起こりやすいようです。
更年期のものわすれは、とくに「気分の不調」に伴ってあらわれやすいといわれています。
2.更年期のものわすれの対策方法とは
更年期のものわすれを防ぐためには、次のような方法で、女性ホルモンのゆらぎを小さくしたり、疲労やストレスをためないようにしたりすることが大切です。
2‐1.まずは心身を労ろう
女性ホルモンのゆらぎを抑えて自律神経のバランスを整えるためには、まずは次のような方法で心身を優しく労わりましょう。
・頑張りすぎない
・自分を責めない
・心身が休まる環境づくりをする
仕事や家事などのペースを見直して、頑張りすぎないようにしましょう。昼寝をしたり、こまめに休憩やストレッチをするのもいいでしょう。
また、更年期の不調で、たとえ仕事や家事が思うようにいかなくても、自分を責めたり落ち込んだりする必要はありません。今はそういう時期と心得て、悩みすぎないようにしましょう。
さらに、できれば周囲の人にも不調の程度を伝えておくと、協力が得られたり、トラブルを回避できたりして安心です。ひとりで悩まずに、ぜひ周りの人と一緒に、心身が休まる環境づくりを目指してみてくださいね。
2‐2.生活習慣を見直そう
生活習慣を見直して、規則正しい生活を送ることも大切です。次の3点が確保できているか、今一度生活を振り返ってみましょう。
・バランスのいい食事
・適度な運動
・十分な睡眠
このなかでも、ものわすれの悪化を防ぐためには、質のいい睡眠をとって脳を十分に休ませることが、とくに大切です。寝る前はスマホやPCを使うのをやめて脳を落ち着かせ、ゆったりと過ごしましょう。
2‐3.更年期障害の治療を受けるのも手
更年期障害かも……と感じたら、婦人科や更年期外来を受診して、更年期障害の治療を受けるのもひとつの方法です。
更年期障害の治療の中心は、ホルモン補充療法と漢方です。ホルモン補充療法では、不足したエストロゲンを薬で補うことで、自律神経のバランスを整え、更年期症状を改善します。
ホルモン補充療法を希望しない方や、受けられない方には、漢方薬が用いられる場合も多いようです。