猛暑での水分補給 水やお茶よりも経口補水液がお薦め
ただ水分と言っても、何を補給するかが非常に重要です。発展途上国で子供が脱水症状で亡くなる悲しいニュースを耳にします。急性腸炎の状態では、お茶や水を飲んでも大腸からの吸収できないのです。効果的なのは食塩とブドウ糖を混合して水に溶かした「経口補水液」です。この経口補水療法は世界保健機関(WHO)が考案したものですが、途上国の急性下痢症による乳幼児死亡者数を激減させました。糖と食塩を水分と同時に与えることで通常使われる大腸からではなく、小腸から水分を補給することが可能になります。
経口補水液は画期的な飲料水でコレラの患者など多くの命を救ってきました。重度の脱水症状は病院で点滴を受けたほうが良いのですが、中等度までの脱水では経口補水液が大変有用ですので、ご家庭での常備をお勧めします。現在、複数のメーカーから経口補水液が販売され、ドラックストアー等で購入できます。暑い日が続きますが、熱中症に細心の注意を払って過ごしましょう。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
秋山 和宏(あきやま・かずひろ)
医療法人財団松圓会 東葛クリニック病院 副院長・消化器外科部長
一般社団法人 「チーム医療フォーラム」 代表理事、多摩大学大学院 医療・介護ソリューション 研究所フェロー
<経歴>
90年 防衛医科大学校卒業
東京女子医大消化器病センター外科勤務
99年 東葛クリニック病院(千葉県松戸市)外科勤務
07年 多摩大学大学院経営情報学研究科卒業
09年 現職
医学博士、MBA(経営学修士)、社会起業家
元日本外科学会専門医、元日本消化器外科学会専門医、
日本静脈経腸栄養学会学術評議員・代議員、日本褥瘡学会評議員
日本ウオーキング協会 ヘルスウオーキング指導士
<専門分野>
チーム医療、NST(栄養サポートチーム)、褥瘡
<著書>
「医療システムのモジュール化―アーキテクチャの発想による地域医療再生」(白桃書房)