紫外線対策の行き過ぎが原因!?ビタミンD不足の健康リスクとは
美肌を守るためのスキンケアの定番の紫外線対策ですが、女性のビタミンD欠乏に深刻な影響をもたらしているかもしれません。ビタミンDには小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進する働きと、血液中のカルシウム濃度を保ち、丈夫な骨をつくる働きがあります。日光を浴びることによって体内でもつくられますが、過度に紫外線を避けるために屋外に出なかったり日焼け止めを使用することにより、血中ビタミンDの濃度の低い女性が多いようです。
慢性的なビタミンD不足?摂取量の現状
食事からのビタミンD摂取状況
日本人の食事摂取基準(※1)よると、ビタミンDの1日の摂取推奨量は男女ともに5.5μgですが、2016年の国民健康・栄養の調査結果では、実際の摂取量は20歳〜60歳未満の各年代全てで2.7μg程度でした。(※2) ビタミンDは鮭やさんまなどの魚介類やきのこ類に多く含まれていますが、魚を食べる頻度が少ない人やコンビニ食が多く野菜やきのこが不足しがちな人などは、十分に摂りづらい栄養素です。
体内での生成も不足気味?
ビタミンDを含む食品は多くなく、必要な量全てを食事から摂ることは難しいため、体内で作られるビタミンDの量も大切です。ビタミンDを体内で生成するには紫外線が必要なため、一定時間日光に当たる必要があります。
しかし、日焼けやシミ・シワなどを防ぎたい気持ちから「紫外線からしっかりと肌を守る」ことを、美容を気にする女性のほとんどが習慣にしているのではないでしょうか。2017年には大阪樟蔭女子大などの研究チームの調査で、女性20代の女性が週3回以上日焼け止めを使った場合、血中のビタミンD濃度が常に「欠乏状態」になっていたとされる調査発表もありました。過剰に紫外線を防いでしまうとビタミンDが体内でつくられず、不足が慢性化するという状況になっているようです。