現役バンカーが語る「半沢直樹」のリアル「出向させるは常套句」、居酒屋での作戦会議、深夜の裏工作はアウト!
日本中が注目する中、ついに最終回を迎える日曜劇場「半沢直樹」。濃すぎるキャストによる畳み掛けるセリフ回しや顔芸、ハラハラドキドキで予想もつかない展開、勧善懲悪なストーリーで世の中の働く世代の心を鷲掴みにしている。
最終回をより楽しむために、半沢の舞台となる銀行について、三大メガバンクに勤める30代前半のAさんに話を聞いた。銀行の裏話やバンカーから見た半沢直樹の世界をぶった斬る!
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旧銀行派閥は意外にもお客さんが気にしている!?
――やはり、銀行に勤める皆さんは「半沢直樹」を見ているのでしょうか?
「同僚は見ている人多いですね。僕は見ていないですけど(苦笑)。前回のシーズンは見ていましたが、今シーズンは見逃してしまって…。録画はしているので、時間ある時にまとめて見てみようと思っています」
――前作から続く半沢直樹ブーム、銀行員から見てどうですか?
「お客さんからよく話を振られますね。前回のシリーズでは行く先々のお客さんに『倍返し』って言われましたよ」
――今回の半沢は子会社である東京セントラル証券に出向しているところからのスタート。証券会社ではプロパー社員と出向組で対立していましたが、よくあることなのでしょうか?
「銀行の場合、若手だからとか関係なく、何歳になっても基本的には3〜5年で異動になります。今回の半沢は子会社の証券会社に出向していますが、1、2年の研修的な出向もあれば、期限を決めずに長期的な出向もあります。昔と違い、最近だと証券会社で数年仕事した後に銀行に戻るケースも多いです。証券のプロパー社員からしたら『最終的には銀行に戻るんでしょ』という風に見えるので、あまりいい気持ちはしないかもですね」
――ドラマでは中野渡頭取や紀本常務ら旧東京第一銀行出身者と、半沢や大和田ら旧産業中央銀行出身者による、再編前の銀行による派閥がポイントになっていますが、そういった派閥は存在するのでしょうか?
「役員クラスになると関係してくるのかもしれませんが、正直、現場レベルでは感じないですね。メガバンクも誕生して20年くらい経つので、現場レベルでは合併後に入行してきている行員がほとんどですからね。旧銀行意識というのは感じないです。ただ、お客さんの方が旧銀行を意識されているパターンはあります。例えば、とあるお客さんは旧X銀行をメインバンクにしていて、旧Y銀行とは取引がなかったとかの場合、『旧X銀行の人しか来てくれるな』ということもあります」