プロ野球開幕延期・・・ビールの売り子さんはどう食いつなげばいいのか
笑顔がチャーミングな萌美さんですが、美貌だけで稼げるほど単純な仕事ではないと強調します。
「採用前の面接からヤバいです。15キロはある満タンのビールサーバーを担いで、立ったり座ったり、階段の上り下りができるかどうかをテストされます。すごく重いですよ。私は中高がバレー部だったので、根性で乗り切りましたが、体力的に断念する人も結構いますね」
しかもビールを担当できるのは「選ばれし者」の1軍プレーヤー。このバイトを選んだ瞬間、熾烈な競争の渦中に自らを置くことになります。
「まずは酎ハイやソフトドリンクなどからスタートし、実績を残せばビール担当を任せてもらえます。でもビールの売り上げが悪いと、酎ハイやソフトドリンクなどの担当に『降格』しちゃうんです。ビールとそれ以外では、1杯当たりの稼ぎが全然違います。だからみんな必死です。笑顔でスタンドのお客様に手を振りながら、視線は席のドリンクホルダーが『カラになっていないかな』と見ています(笑)。3月は球場内の自分の担当エリアに『常連さん』をつくる大事な季節。本来ならこの時期に『種蒔き』することで、シーズンを通じて買ってもらえる『土台』をしっかり築いておきたいところなんですが…」
端麗な容姿と、これほど気配りができるなら、他のバイトでも十分稼げる気もするのですが…。
「キャバは独特の世界なのでちょっと抵抗があるかな。メイド喫茶は客層が全然違いますし(笑)。やっぱり、球場の明るく楽しいあの空気が好きなんですよ。一生懸命やればやった分、お金になるのもうれしいですし。今はしっかりと筋トレして、『開幕』に備えています。ぶっつけ本番でかつげるほどビールサーバーは甘くないですから(笑)」
開幕のその瞬間を待ちわびてトレーニングに励むのは選手だけではありません。満員のスタジアムに球音が鳴り響く瞬間を、誰もが心待ちにしています。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]