アスリートのセカンドキャリア、迷わないくらいの〇〇を手に入れる
キャリアをどうにかする為に必要な〇〇
セカンドキャリアをどうにかしていくために、条件が1つだけあります。その条件とは、「考える力」になります。この考える力を現役中にメンタルコーチングを通じて養ってほしいと考えています。
先日、とあるプロアスリートと食事をする機会がありました。1人は僕のコーチングを受けていて、もう1人は受けていない方でした。その際に「メンタルのコーチって必要なんですか?」と聞かれるのです。私は、メンタルコーチングが必要とする人には必要だし、必要ではないと思っている人にはメンタルコーチングは必要ではないと考えています。
自分で考え、困難に向き合える人であればスポーツメンタルコーチングは必要はないと考えています。考える力があるのであれば、メンタルコーチングを受ける時間を使って別の能力を高める時間が生まれると思います。しかし、考える力やどうしても困難を乗り越えることに苦労をしていたら必要かもしれません。
アプリばかり。知識ばかり。
スポーツメンタルコーチングでは、もちろんメンタルを整えていくということもやるのですが、何よりも自分で考えて行動できるという主体的な脳を手に入れることになります。iPhoneやスマホに例えるとこんな話ができます。アプリをたくさんダウンロードして入れたがる人が多いのです。するとどうなるかというと、メモリー数がどんどん奪われて、最終的にiPhoneの中身がアプリだらけになっちゃうわけなんです。
メンタルの業界界隈を見ていると、こういった足し算思考が一般的です。ただ、私が本当の意味で選手たちに養ってほしいのがOSの部分である考える力なのです。
一般的に、知識だけを積極的に取り入れることであるデメリットがあります。それが、頭の中がパンクすることです。正解を見つけたい気持ちが先走り、答えを見つけたい気持ちが知識を積極的に取り入れる道を歩ませます。すると、頭でっかちになってしまい、行動できなくなってしまう可能性があります。もちろん、中には書籍を読むことで心を落ち着かせたり、パフォーマンスを高めた人も多いのも事実です。しかし、それが出来ない時に疑うべきことがOSになるのです。
行動できなくなってしまうと、先ほどお伝えしたように、セカンドキャリアでどう行動していいかわからなくなってしまうんです。わからないから、そういう人ほど知識を求めていろんな方に意見を聞いたり、話を聞いたり、もしくはネットの情報を拾い集めたりします。ただ、ネットの情報というのはすごく偏った情報になりがちです。書籍においても1つのテーマをたった1冊で判断することは偏った考え方を助長します。
なので、自分でなかなか判断できない、もしくは誤った方向に導かれてしまう可能性があります。「セカンドキャリアは大事だよ」と言って、そこからお金を得たいと思っている業者に搾取されてしまう末路が待っているのかなと思ってしまうことを危惧してます。
私自身、3回も転職した経験があるので尚更キャリアを決める際に頼る人材紹介会社やキャリアカウンセリングの方がいます。しかし、どの人たちも何かしらの利益を得たくて選手たちに近寄っているのでその事実だけお伝えしておきたいです。
日本全体で見たセカンドキャリアの真実
日本全体で見た時に、確実に日本は人口減の未来が待っています。すると、どの会社も人材不足が起きます。人材不足を解消するために、アスリートとして頑張ってきた優秀な人材を囲い込みたい思惑が各社から透けて見えてきます。だからこそ、セカンドキャリアを高々と話す企業が増えているのだと推測してます。(もちろん、全ての企業とは言いません。)
また、アスリートの時点でビジネス能力がないことを伝えておくことで人の気持ちを不安に煽ることができます。人の不安を煽ることで人の気持ちをコントロールする事実はあります。こういった事実の中で、私は偶発性理論を通じて煮え切らないメンタルを未来に残してほしくないので「今」という時間を最大限に競技と向き合って欲しいのです。その上で、考える力を今の段階で養うことができれば、たとえキャリアの道を失ったとしても、すぐに立ち直れると考えています。
最後に
実際に、考える力が衰えている人がすごく多いなと思っています。私たち人間は、非常に便利な世の中を生きているわけです。iPhoneやスマホ片手にパソコンを手元で操作してるような生活ができる現実があります。
これからAIだったりロボットが台頭してきます。すると、ますます考える習慣や考える時間がなくなっていきます。考える時間がなくなれば、当然私たちの脳のOSはアップデートされません。アップデートされませんので、それに相応しい望まない結果が起こりやすくなると思っています。だからこそ、考える力、地頭、OS、が必要なのです。
セカンドキャリアに悩まなくなるくらい考える力を養っていただきたいのです。それが私がスポーツメンタルコーチとして目指しているもう一つのアスリートの未来です。
[文:スポーツメンタルコーチ鈴木颯人のメンタルコラム(https://re-departure.com/index.aspx)]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会
代表理事 鈴木颯人
1983年、イギリス生まれの東京育ち。7歳から野球を始め、高校は強豪校にスポーツ推薦で入学するも、結果を出せず挫折。大学卒業後の社会人生活では、多忙から心と体のバランスを崩し、休職を経験。
こうした生い立ちをもとに、脳と心の仕組みを学び、勝負所で力を発揮させるメソッド、スポーツメンタルコーチングを提唱。
プロアマ・有名無名を問わず、多くの競技のスポーツ選手のパフォーマンスを劇的にアップさせている。世界チャンピオン9名、全日本チャンピオン13名、ドラフト指名4名など実績多数。
アスリート以外にも、スポーツをがんばる子どもを持つ親御さんや指導者、先生を対象にした『1人で頑張る方を支えるオンラインコミュニティ・Space』を主催、運営。
『弱いメンタルに劇的に効くアスリートの言葉』『モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術』など著書8冊累計10万部。